高校生の頃、自宅の部屋で度々金縛りにあっていた
ただ体の生理現象であると理解しており、恐怖心といったものはない
終わるまで声がでない、目がつむれないといったことだけが不便だった

その日も同じような金縛りで、ベッドに仰向けになった状態でのもの
早く終われと思っていたら、目の端にぼんやりとした白いもやが見える
横目で見ると大きいもやひとつ、小さいもやふたつ
段々と白みが増してゆく

不気味で目をそらすと、もやがふっと消えた
もう一度見るとこけしがあるのね
もちろん部屋になかったはずなのに
さすがに驚いたけれど、声が出ないし動けない、こけしからはなぜか目をそらせない

がむしゃらに動こうとして何とか目をそらすことだけできた
安堵した瞬間、首もとに気配
自分の真横にこけしが寝てるのよ
認識した瞬間、首ごとそちらを向くように目線を固定されたような感じで動けない

恐怖となぜか不安で緊張していたら、こけしの顔が変化した
一般的な顔から般若の顔へ
しかもこっちを見ている

怖いのに体も目線も動かない
そうしているとこけしの顔へ戻る
するとまた般若の顔へ
段々と変化が早くなっていく

もう怖くて怖くて、多分気絶したんだと思うけど両親に心配そうに起こされた
覚醒したとき、あの金縛りから抜けたことの安堵から泣けたよ

そういえば金縛りは自分の部屋限定だったことや、こけしの由来などを調べたらいわくもあったから気になる(見に覚えはないが)