がらがら席の新幹線の通路側で、テーブルを出して弁当を食ってる太った男がいた
他の席にもいくらでも座れたが、蹴散らしてやろうと思い、わざとその隣へ。

なぜそう思ったかというとそもそも、新幹線東京駅乗車で弁当を食べるマナー
(隣が空席の場合)の基本は、新横浜駅以降だろう。誰がどんな事情で臨席に座るかわからないからだ。
サンドイッチを食べる場合でさえ私はそうする。

そこで怒りながら、その臨席へ。
ところがそのデブ男、私が座ったとたんに、「あの膝が肘掛けから出てるんですけど」と、逆攻撃をかけてきた。

そもそも、そのデブ男は、箸を持って弁当を食べているのだから、肘は浮いており、何の障害もないはず。
デブ男は空間的に難癖を付けているわけだ。私はかすっただけでも、肘は引っ込める方なのだから。

しかし、こんな難癖、58年間生きてきて初めてのこと。
「ゴメンナサイ。失礼しました」と丁重に謝ったが、腹の中は煮えくりかえっていた。

そこで、しばらくしたら立って、別の席に移動しようと思っていた初期の嫌がらせ作戦を大幅に変更。
我慢してそこに居座り続けようと考えた。

デブ男が寝始めた。完全に股が開いてカニのようになっている。偏差値が低いに違いない。

人間環境大学副学長・芦田宏直