よくある話。
小学校5年生の二学期のこと。
夏休み明け最初の学級会で学級委員を決める投票があった。
候補者はなくクラスに紙が配られて男女それぞれ一人の名前を書いて提出する無記名方式だった。
私は一番足が速く声の大きいSくんと背が高く大人びたやはり声の大きいAさんの名前を書いた。
いざ開票。
男子はいつも女子の鉛筆を折ってまわるKくん、
女子はいつも薬草みたいな独特の匂いがするCちゃんに
それぞれ40人クラス中で35票も入り、二人が二学期の学級委員となった。
Sくんは2票、Aさんは3票だった。
Kくんはサッカーはうまいし、Cちゃんも声が大きいからそんなものかなと思ったし、
じゃあきっと三学期はSくんとAさんが学級委員になるんだなと思った。