「電話って…」
リボンちゃんはすこし不可解な顔をしていましたが、このときその理由は私にはわかりませんでした。

数学準備室になんて行きたくないけれど、副パートリーダーとして行かないわけに行きません。
しかし流石に怖いし、電話があったということは緊急事態かもしれませんから、新顧問に言って一緒に行ってもらうことにしました。

「電話かかってきてました?」
新顧問にも電話について突っ込まれましたが、今はそんなこと重要じゃありません。

急いで数学準備室に行くと、教室後方に備え付けのロッカーの前で、3人が固まっていました。

ポニテちゃんは息を切らした私たちと新顧問を見て、「今呼びに行こうと思ってた」と言いました。

「え、でもさっきポニテちゃんが電話‥」
言いかけるとリボンちゃんが私の制服の端を引っ張ります。促されて視線をやった先は、教室備え付きの電話機・・・が、そこに掛かっていたであろう、壁の白い跡。。。。。。

この使われていない教室からは、電話はとっくに取り外されていたのです。

じゃあ、さっきの電話はーーー。

しまった、と思いました。私は呼ばれたんだ。呼び込まれたんだ。まんまと、ここに、なにものかによって。