私はね仕事ではなく使命で、日本の為にソレに乗った
当時16歳だったよ。
父も母も応援してくれた。特に父は胸の病で長くはなかったから。私は長男だから小さい弟や妹の為にもお国を守らなければいけない。
最初はね、仲間たちが次々と死んでいった。
私の上官は厳しい人だったけど銃弾をたくさん浴びて顔がわからなくなって死んだよ。仲間のバラバラになった臓器を拾い集め、上官の肉片を集め、そして私は片道の燃料しかない飛行機に乗る事になった。
とても名誉な事だ。特攻で1人でも多くの敵を道連れにしようと思った。
ただね、敵の戦艦に向かって行って気付いたんだ。敵国の船から上がっている黒煙は特攻した仲間達の苦しむ顔に見え火は仲間達の怒った顔に見えた。
いや、きっと魂がそうさせたんだろう。私は躊躇う事無く船に突撃した。零戦の戦いはいつまでも語り継がれるだろうか。私の上げた炎は怒っていたろうか。私の上げた黒煙は苦しんでいたろうか。
そして私の家族は幸せになっただろうか?私が特攻した事で日本は救われたのか。今は皆の不幸を祈るばかりだ。