太陽と月
昼と夜
生と死
精神と肉体
埋設された2隻の船
謎を解く鍵は二元論にあるのかもしれない…

古代エジプトでは二元論に基づき魂と肉体は別々に存在していると考えられていたようだ。
先に挙げたキーワードと二元論的復活と再生の信仰を結びつけてひも解いてみると、次のような仮説が成り立つと考えられる。

太陽神ラーの子とされたファラオは死後、復活と再生を実現するため、分解埋設されている2隻の船である場所へ向かうのである。すなわち太陽と月、太陽の船と月の船というわけだ。
2隻用意されているということは行き先が違うという解釈がもっとも自然だろう。そして2隻の搭乗客とは太陽神へ向かう魂と月神へ向かう肉体である。
それぞれの神の元で復活と再生を遂げた魂と肉体は、再び船に乗って戻り王の間に設置された空の石棺で一つになり蘇るのだ。

当時ギザのピラミッドは石灰岩の化粧石で全面が覆われており白く輝いていたそうだが、戻ってくる際に見失わないよう太陽光と月光を反射させ視認性を高めるためだったという解釈もできるだろう。
なお、当時天体の運行原理まで知っていたか定かではないが、地上から見て太陽も月も出ている時しか戻ってこられないと考えたのであれば、戻ってくる時は必ずピラミッドは輝いているという前提が成り立つはずだ。