生命進化の動機や原動力、および進化を刺激・促進するものは「苦しみ・危機」だけではない。でも、人類は苦しみや危機
(あるいはそれらへの漠然とした不安感)以外を基礎にして進化を歩んだ経験が少ない・浅いような気がしなくもない。
命が「進化」する目的は「危機(死の恐怖・苦しみ)を逃れるため」ではない。進化というものには、生存効率をUPさせる
以外にもいろんな使い道や可能性が無限大にある。ワクワクするほど多彩・多様な無限の可能性が。だからこそ、そんな
「可能性への好奇心(interesting)」が生命本来の進化の目的にして原動力ではないだろうか。それを満たそうとするのが
生命が持つ根源的かつ高次なる本能ではないだろうか? それは多分、魂(ユング心理学ならセルフ)の本能だ。

現代日本もまた、敗戦という苦しい危機を原動力にした高度経済成長という『火事場の馬鹿力』でしか国を発展させる
術を知らない気がしなくもない。既に経済成長し飢えの恐怖を脱出した日本は、かつての原動力を失って失速した。
この解決には、原動力を補充するためにかつての危機や苦しみを再現したり新たな危機や苦しみを選んだりするのではなく、
過去とは本質的に異なる全く新しい原動力が要る。危機でも苦しみでもなく、ワクワクするような『可能性への好奇心』
という生物本来の進化動機(ストレンス発動の動機と原動力)とそれを満たそうとする本能は、そんな新しい原動力探しの
キーワードになりそうだ。

ストレンスモードこそ、パワーよりも強い。我々の持つ「世界を救う機能(例:ヴァーツラフ)」の発動条件でもある。
あのモードはインド風に言うとサットヴァか。