清王朝の時代、桂林に蔡という美貌の青年がいた。
ある春の日に芝居見物をしていたところ、自分の尻を撫でてくる者がいる。
蔡は怒って振り向くと、その撫でていた人物は自分より更に美少年かつ年少の若者だった。
嬉しくなった蔡はお返しにその若者の陰部を撫で、そのまま酒場に行ってお互いに誓いを立てた。
二人は常に一緒に行動するほどの熱い仲となったが、その頃の無頼漢で王禿児というものがおり、
この二人に目をつけ人気のない場所で強姦しようとしたところ、二人共抵抗したため、禿児は二人を殺し、
死骸を街の片隅に遺棄した。
両家の両親が警吏に犯人捜索を願ったところ、警吏は禿児の服に血痕を発見。禿児を尋問したところ犯行を自供。
街の人々は殺された二人を憐れんで祠を建て、双花廟と名付け祀ったところ霊験あらたかであった。
しかし数年後、ある長官がこの街に赴任し、この廟の由来を聞き知ったところ
「こんな趣味の悪い奴らを祀る必要などないわ!」と廟を壊させてしまった。
その夜、長官の夢に蔡と美少年が現れ、長官を罵って棒で叩きまくった。
目が覚めた長官は廟を壊したことを後悔したものの、まもなく収賄罪で逮捕され、絞首刑となった。