ドラマでは適当に回想で流されているが、お針子をやめた後のテロワーニュは
その時の行儀見習いで得た教養を使って知識人・文化人向けの娼婦をしていた
そのため革命が起きる前から社会活動家達の思想と動きを理解していたのだ
のちに女革命家の中で彼女が目立ってのし上がったのにはそういう下地があった
だが下世話な連中は彼女が今でも革命家達の愛人をやってるだけだと罵った

もう娼婦と罵られないよう男装して歩き、数々の革命家達と交流を持ち
高級娼婦時代に稼いだ財産で時には革命家に援助したりしていた彼女だが
その財産が尽きかけた上にフランス王党派に付け狙われるようになったので
故郷のベルギーで少し休んでいたら、オーストリアの官憲に逮捕されてしまう
罪状は皇室ハプスブルク家(アントワネットの実家)への反逆罪という濡れ衣

ウィーンへ移送中の馬車の中でレイプされたのはさすがにドラマ設定だろうと思うが
牢に繋がれたらずっと水をくれ水をくれと連呼していたのは史実らしい
フランスの革命家達は盟友テロワーニュを救うため無実の証拠を探し、釈放させた
この過程で年若い青年がテロワーニュに思想家として弟子入りし忠実な従者になる

複数の国から警戒され外国で誤認逮捕を受けるほどの大物革命家として
テロワーニュの名はますますフランス国内で上がった
だがこの頃革命家達は多数の派閥に分裂を始め、互いに暗殺したり処刑したり
最も有名な革命家ロベスピエールすらも断頭台の露と消える混乱の時代へ突入していた

女性達の社会的地位向上のために革命家をしてきたはずのテロワーニュですらも
好きな派閥の敵というだけで、同じ女性の市民達から卑怯な売女として吊るし上げられ
往来で裸にひん剥かれたあげく棒などで全身打ちのめされる凄絶なリンチに遭う
彼女を助けようとした弟子の青年も彼女の視界の端で敵派閥の刺客に殺された

その後テロワーニュは発狂というか心を患って廃人化し
中年期には病気で寝込み、寂しく死んでいった
何故か執拗に水を欲しながら