阿刀田高「来訪者」みたいな

主人公は若い人妻。
金持ちの夫と結婚し赤ん坊が生まれた主人公は産院で、ある中年女性と知り合った。
その女は自分を家政婦として雇って欲しい、と言ってきたが主人公は断った。
ある日、自宅で主人公が赤ん坊をあやしていると玄関のチャイムが鳴った。
来訪者はその中年女性で「ぜひ赤ん坊を見せて欲しい」と言ってきた。
赤ん坊を見たあとすぐ中年女性は出て行ったが、しばらくするとまたチャイム。
今度の来訪者は警官で「あの中年女性が来ませんでしたか?」と尋ねてきた。
その中年女性が来たこと、赤ん坊を見てすぐ帰ったこと、を言うと
警官はあわてて「赤ん坊に危害が加えられませんでしたか?」と聞いてきた。
無事だと答えると、警官は安心した顔をし、
「実はあの女は自分の孫の赤ん坊を殺めてるんですよ。今行方を追っているところです。
それにしてもお宅は無事でよかった」
主人公がその死んだ赤ん坊の年齢を聞くと、ちょうど我が子と同じ月生まれと判明。

赤ん坊のベッドを見ると来訪者はスヤスヤ眠っていた。