妻と娘をシェルターから追い払い、一人だけ生き延びようと
避難する男を描いた1分間のショートフィルム
http://www.kotaro269.com/articles/54694.html

山奥の一軒家に夫と妻と娘が住んでいた
麓の町には夫婦や娘の友人知人も多かったが夫は静かな生活を好んでいたらしい

ある日、麓の方から山へと警報が聞こえてくる
英語判らんがシェルターに避難しなければ生きられないらしい
三人もこの山奥の自宅の裏庭にあるシェルター地下室へと向かった
ところが扉を開けてまず夫が入り、続いて妻と娘が入ろうとすると
夫は食料が足りないと言って妻と娘を外へと突き飛ばす
そんな事はない、三人が数日暮らせる十分な食料を普段から備蓄しておいた、と
妻は語ったが夫はそれを独り占めして三倍の期間生き延びるつもりらしい
血の気が引いた顔の妻と娘の前で夫はシェルターの扉を内側から閉めた

そのシェルターの中を見た夫はそのまま固まった
夫が外へと妻子を追い出すまさにその瞬間をシェルターの中から見ていた、
町にいるはずの多数の友人知人らもそのまま固まっていた
彼ら彼女らの手にはパーティクラッカーやシャンパンや料理を載せた皿等が握られ
シェルター内にはHappy Birthdayの横断幕や色とりどりの三角旗飾りが張られていた
おそらく仲間が麓からフェイク警報を鳴らしたサプライズだったのだ……


友人知人全員に根性の悪さが知られた夫はいい気味としても
もし自分がこの友人知人の立場だったらいたたまれないなんてもんじゃない