「交際中の女性と結婚したい」と言われ激怒の父、息子の両目をくり抜く(パキスタン)

2018年でありながら、好きな人との結婚を許されない国や文化は存在する。
このほどパキスタンで交際している女性との結婚を望んだ男性が、
父親と家族の怒りを買い眼球をくり抜かれるという事件が起こった。

パキスタンのバローチスターン州ナシラバッドにある村で、5月12日に悲劇が起こった。
アブドゥル・バキさん(22歳)は父親ドスト・ムハンマド(70歳)と4人の兄に交際中の女性と結婚したい旨を伝え、
女性の家に婚約の提案をしてもらいたいと願い出た。

ムハンマドはその件に同意した様子を見せていたが、3時間後に態度が急変。
バキさんの兄4人と組んで、バキさんを部屋に閉じ込めた。
さらにバキさんをベッドに縛り付け、眼球をくり抜くという冷酷極まりない行為に出たのだ。
ムハンマドは、息子を助け出さないようにと妻を別の部屋に監禁した後、
バキさんが泣き叫ぶ中、片方の目をスプーンでくり抜いた。
その時、バキさんは自分の眼窩から目がぶら下がったのを見たという。
その後ムハンマドはナイフで静脈を切断。
「もうやめてくれ」と懇願するバキさんを無視し、もう片方の目にも手をかけたのである。

両目をくり抜かれたバキさんは父親に「殺してくれ」と頼んだが、
ムハンマドは冷酷に「村の他の男たちの見せしめだ」と言い放ったそうだ。
近隣住民らがこの騒動を聞きつけ、外出していたバキさんの別の兄アブドゥル・ガファーさん(24歳)に電話をした。

すぐに自宅に戻ったガファーさんは、両目をくり抜かれ痛みで泣いている弟の姿を目にし衝撃を受けた。
バキさんはガファーさんに同州クエッタにある政府運営の病院へ連れて行かれたが、
深刻な事態であることからカラチにあるジナ・ポスト・グラデュエイト・メディカル・センターへと急きょ搬送された。
そこでバキさんは医師から、もう二度と目が見えることはないと告げられた。

現在のバキさんは入院中だが、付き添っているガファーさんは
「家にはお金がなく、友人や近所の人たちが35,000パキスタンルピー(約33,000円)を援助してくれました」と話している。
警察はこの件を事件とみなし、ムハンマドと行為に関わった兄2人を逮捕したが、
他の2人の兄は逃亡中とのことだ。

家族にとって子供の幸せよりも家柄や名誉を重視するパキスタンでは、このように理不尽な仕打ちがあとを絶たない。
2016年にもパキスタン北部のラホールで、不都合な相手を選んだとして当時18歳の妹を兄が銃殺するという事件が起こったが、
兄は「家族の尊厳を守る名誉殺人だ」と主張していた。

https://www.excite.co.jp/News/world_clm/20180519/Techinsight_20180519_506263.html
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