とある北の町に旅行に行ったとき、夜、繁華街の小さな飲み屋に入ってみた。
店は婆ちゃんが1人でやってるイイ雰囲気の飲み屋で、客は俺1人だけ。
婆ちゃんとは、家族の話とか常連客の悪口wとか、昔はこの町も賑やかだったとか、
そんな話で盛り上がり、しまいには土産までもらって店を出た。

それからその町には何度も行ったんだけど、その飲み屋はいつも真っ暗で、
あぁもう店を閉めちゃったのかなーとか、婆ちゃん死んだのかなーとか思っていた。

それか何年かたって、久しぶりにその町に行ってみると、店に明かりが灯っていた。
懐しくなって入ってみたら、店主は40〜50代くらいのおじさん。
前に来たときにはお婆ちゃんが店をやってましたよ、と話をしてみると、

「あぁ、それは私の母ですね。でもおかしいですね。お客さんがいらした頃には、
母はもう完全にボケちゃっていて、店に立てるような状態ではなかったはずですが・・・」

特にオチはない。