実家に住んでいた頃の話
夜の9時〜10時くらいに玄関のチャイムが鳴った
うちにはインターホンがなく、その代わりにドア越しに要件を訪ねて
返事がなかったら極力出ないようにしている

その時は父親が応対したんだが、
あまり常識的な時間の訪問ではないので、近くで見ていることにした
様子を伺っていると、ドアの向こうから陽気で若そうな声の男が
「道端で○○(東南アジアの国)の男の人に道を訊かれたんだけど、
彼が行きたいというXX(近所)という場所がどこかわからないから教えてください」と言う
ドア越しにやりとりをしているが要領を得ない感じだったので
せっかちな父親が鍵を開け直接説明しようとしたが、
怪しいので急いで小声で止め、鍵もすぐ締め直させた
すると鍵が開いたと思ってか、向こうからドアのノブを引くガチャッという音がした
何度かドアノブを引きながら、「あ、あれ?w」と驚きつつおどけたようなリアクションの男
ここで、「普通は家主が開けるのを待つのに、向こうから開けてくるのはおかしい」といよいよ思い
大雑把にXXへの道のりを伝えて帰ってもらった
相手はすんなり引き下がっていったし、それきり特に何も起こってはいない

犯罪でもなんでもなくただの酔っ払いだったのかもしれないが、当時はけっこう怖かった
周りは通りに面した住宅街で、声をかけやすい家はたくさんあるのに
奥まったところにある自分の家に来たところも(友人からは入りにくいと言われる)
道に迷ってる東南アジア人の連れも、本当だったのかもわからない
そしてこれを書きながら気づいたんだけど、とっくにスマホは普及してたから
道なんで調べようと思えばすぐわかるんだよな