「母さん、これのことも聞いたんだよ。」

「これのことって。」

「だから、テレビの故障とか。」

「神さまに?」

「うん、そう。神さまってね、昔の人も一緒だって事だから昔、開発されて無かったものがあると
 悔しくなるんだってさ。だから、電話とかも聞こえなくなるみたい。便利なものが便利じゃなく
 なる時っていつも神さまが悔しがってるんだってさ。」

「へぇ。そりゃ初耳。だけど何かそういうのあるかもしれないな。」

「母さんは知らない。そういうの。誰かが見ていたり急にドキドキしたり。」

「うん?知らない・・・。」

「僕は知ってるよ。本屋は大丈夫なんだ。本屋はテレビと違って紙だから、
 昔から有ったものなんだよ。だから、本屋に行くと誰もが興奮するんだ。」

「へぇ。何でも話、聞いてんだ?霊汰は・・。じゃあさ、ついでにこれも聞いてみてよ。」

「何??」

「母さんが買ってきたお花さ、何本もあるうち一本だけ枯れてるんだけど、これ何よ。」

「ちょっと待って・・・。答えてくれた。」

「何だった?霊汰。」

「ええと、あんまり綺麗なものを見せられても死んでる者からすればケチつけたくなる・・とか。」