某絵画コンクールでの話
あるグループの参加者の描いた作品が後日掲載されたコンクールの作例に酷似していた
開催発表→絵を描く→作例発表の順なので彼が真似をしたわけではないが似ていた
「まあこんなこともあるよね」て事で彼はアイデアが似ないように一部書き直して、ある犯罪をモチーフにしたグロい絵にした
それから数日後に同じ手口の事件が発生してしまった
「運が悪かったね」と励ましたのだがその頃から彼は明らかに様子が変になっていく
どうやらグループ内で虐めを受けていたらしく首謀者は逃げる形で退会、彼も距離を置くようになる
次に仕上げた絵は体のある場所に傷があるキャラが特殊な武器を持った物だった
数日後に彼の弟が絵と同じ場所を負傷して救急搬送され、更に別の日には同じ構造の武器がそのコンクール開催している雑誌に掲載されてしまう
彼はその絵を全部やり直した、そして周囲にいかに自分が可哀想か連呼し始めるようになる
昔からタイミングが悪く、別件でもほぼ同時に同じネタを出したせいで盗作を疑われて攻撃され絵を辞めてしまっていた
それらが重なればそりゃそうなるわ…て感じなんだけど相手はプロだし孤立してるから絵を見せていた人は数人しかいない、だから客観的に見れば被害妄想の奴がプロの描いた絵に言いがかりを付けてる感じになっていた
明らかに先に仕上げていたのは彼の方なのに
そしてコンクールのA部門の発表日
彼はB部門なので似ることはないだろうと安心して雑誌を見て唖然とした
彼のアイデアがそのまま掲載されていた。設定も文章がそのままだった
受賞者は彼と全く接点がない他県の人だった
彼が散々アイデアを盛り込んだ絵はその受賞者のせいで全てが台無しになった
とりあえずB部門に別の絵を数枚投稿したがその直後になんとまた彼の描いた相撲ネタが雑誌に掲載されてしまう

そしてB部門発表の日
受賞者全員が彼以外のグループ参加者全員だった…
しかも彼が描いたクラゲをモチーフにするというアイデアも使われていた
普通被るかね、クラゲの絵なんて
どれもこれも完全なパクリではなくて、二つの絵が並んでいたら「影響受けたな」とヒソヒソされるような似具合だった