大槻ケンヂの『縫製人間ヌイグルマー』という小説の結末がグッドエンドだこど少し切なかった。よく覚えてはいないんだけど

主人公は綿状の体を持つ地球外生命体で、無機物と融合して体にするという能力を持っている
主人公は仲間達と共に滅び行く母星を去って宇宙をさ迷い、地球のヌイグルミ工場へと飛来した
仲間達は工場内の大量のヌイグルミと融合し、主人公は黄色いクマのヌイグルミに、主人公の親友(ライバル)は黒いクマのヌイグルミと融合した
しかし融合した後暫くは身動きが取れなくなるため、仲間達はそのまま別々の地に出荷されて離れ離れになってしまう

主人公はそのまま平凡だが幸福な一家の父親に買われ、クリスマスプレゼントとして幼い娘であるヒロインに贈られた
しかし父親はクリスマスの夜にヒロインと主人公の目の前で事故にあって命を落とすことになる
その直後にようやく体が動くようになった主人公は、周囲に他に誰もいないタイミングを見計らって瀕死の父親に「助けたかったが助けられなかった。申し訳無い」と語りかけた
いまわの際である父親は「僕に代わって娘を見守り続けて欲しい」と主人公に言い遺してこの世を去った
その後主人公は父親の遺言に従い、ただのヌイグルミのフリをしながらヒロインを見守り続けることになる

一方、ライバルはどういう経緯か、薄幸の少年の手に渡っていた
少年はライバルの目の前で実の父親に虐待され続け、激しく殴られ蹴られ、その末に命を落とすことになる
ようやく体が動くようになったライバルは少年の父親を殺害すると、主人公がヒロインの父親にしたのと同じように少年に語りかけた
少年は涙ながらに「自分をこんな不幸な目に会わせたこの世界を壊してほしい」と言い遺して息を引き取った
ライバルは少年の最後の意思を継ぎ、この世界を壊すために人々を「縫い殺」して殺戮を始めた