もうかなり前のことです

私たちの町の風習
お寺の下の庵みたいな建物があるのですが
そこで1年に一度、そら豆をたくさん炊いて信徒というか住民に配る行事があります
町のお年寄りが鍋いっぱいに炊いてくれてそれを町の住民、子供たちがお弁当箱をもって
貰いに行きます
それぞれに大盛に入れてもらっておうちに帰ります
私はシャイな子で母がよくお手伝いをさせて度胸をつけてくれていました
そのときも3歳ぐらいでしたか、〇ちゃん、そら豆の炊いたん貰ってきて・・と父親が使っていたアルミの弁当箱を持たせてくれました
その庵まで小走りで2〜3分ほど、順番を待って入れてちょうだいと弁当箱を差し出しました
よく見かけるおばあさんでしたが
おしゃもじについたそら豆の煮た餡のようになったもの表、裏と弁当箱のふちに擦り付けてそれで私の手に戻しました
盃いっぱい程度のものがこびりついていました
次の子には大盛に入れているのを見て・・・・・・・と胸がふさぎました
走って帰って母に見せると
母は、、、まぁ‥と絶句してその弁当箱をもって庵に行きました
母は訳を言い、現物をみせてそら豆を大盛に入れてもらいました

年取ってもこのことが心に引っかかっているいくつかのうちの一つです
時々、そのおばあさんの弁当箱の淵にしゃもじを擦り付けている口を半開きにした悪意のある表情を思い出すことがあります

このおばあさんは何だったのでしょう
私に何かうらみでもあったのでしょうか
私は3歳ぐらいでした