そんで月日は流れてついこの間
中学の同窓会があってそこでYと話す機会があった(俺とYは同中に進学、他2人は別の中学)
そこでふと思い出して山での事を聞いて見たんだよ
そしたらYは渋い顔をして「あったあった。お前ら笑顔であんなことするから怖かった」とか言った
あんなことってなんだ?ただ丸い石拾ってきただけだろ?とYに言うと、しばらくびっくりした顔をした後ケラケラ笑い出した
「なんだ、石拾ったつもりだったのか。アレ、小さいお地蔵さんの頭だったぞ。チャリのかご一杯に入れてたから、てっきりお前らが壊して持ってきたんだと思って滅茶苦茶怖かったわ」
あの時のYは怒ってたんじゃなくてビビってたんだそうだ

たまたま顔を合わせなかったからお互い気づいてなかったんだが
山のふもとはYの夕方の散歩ルートで俺たちの遊び場のすぐ近くだった

普段人も見かけない散歩道に
自転車のかご一杯に地蔵の頭を詰め込んで
笑顔で話しかけて来るクラスメイトがいる
そんなのビビるに決まってる

「お地蔵さんの顔もさ、普通は笑顔だったり目を閉じて優しい顔だったりするじゃん?お前らが拾ってたやつ、半分目を開けてこっちを睨んでるみたいな顔でさ、ホント怖かったわ」
そんな話をしていた所でその日の同窓会はお開きになった
俺たちは石を1つずつしか拾っていなくて、かご一杯になんて入れてないって事とか
何度思い返しても、石はツルツルで地蔵の顔なんて無かったように思うって事とか
Yには言わなかった

それだけ。長くなってスマン