普通、手の平で圧力として気を感じてそのままその感覚を強化運用するが
認知論的な方法だとそのままで同時に手の甲側でも気を感じるようにする。
手の甲側は気が感じにくいが「意識する」努力をすると
手の平側とは違う性質の気感を手の平側と同じ強さで感じるようになる。

それが出来てから両方の感覚に同時に意識を置くと、手が消失したような感覚が起きる。
この時に手の平側(求心的気感)と手の甲側(遠心的気感)が結びつく。

それが陰と陽の結びついた太極の気感、これを把握すると陰陽を循環させながら
気を運用することが出来る。
先ず手の平側に意識を向けた時の気の強さが変わる、外から流れ込むようになるからね。
それから手とか足に流すとき循環する陰陽が必要な所に流れるから気が半自動的に廻るようになる。
手の平側だけの気感を意識だけで巡らせるのとは格段の違いが出る。

上の意識の使い方を全身で行うのが「坐忘」。
普通は動功で求心的気感と遠心的気感を結びつける、上のは原理的な方法。

高藤氏は「仙道房中術」で房中術というのはある特定の方法ではなく
「陰陽合一法」で行えば(今までの高藤仙道が)「房中術」になる趣旨のことを述べている。

この「房中術」というのは異性から気を取ることではなく1つの上の次元から気を引き込めるようになること。
そして陰陽合一法とは対立するものを1つに止揚する認知論的手法。

高藤氏は「仙道房中術」で方向転換をしているんだね。
本当は方向転換した世界観でもう一度今までのやり方を再展開しなければならなかったのだが
それは後進に託したと見るべきかな。