そんな理由もあって猫と暮らせるマンションに引っ越しを決意した訳だ。
おれの猫(仮名サビとしようか)も家中しっちゃかめっちゃかにする癖に、やっぱりというか和室にだけは絶対入らなくてな。
俺が和室で洗濯物のアイロンがけしてるとサビの奴が遠目からコッチ見てニャーニャー鳴いてんだよ。
普段は鬱陶しいくらいに作業の邪魔しやがる癖に和室には絶対に入って来なかったな。
そんで今は無事引っ越して西区の猫と暮らせる2DKに越してきた。
サビもスクスク育って元気だ。
つか振り返って思うにあのマンションで暮らしてた頃の俺はやっぱりちょっと異常だったんじゃないかなぁと思う。
当時は仕事のストレスだと思ってたんだけど、あの時期サビと会うまでは何故かすごく気分が滅入っていた。
今でも腕とかに跡が残ってるんだけど、なんか当時二の腕とか脚の腿とか血が出てカサブタが出来るまで掻き毟ってたんだよな。
サビも当時は取り込んで和室に置いてた洗濯物とか全然近づきもしなかった癖に、いまのマンションだとまるでライフワークのように取り込んだ洗濯物に潜り込んで隠れてるし。
あのマンション…ってかあの和室、絶対やばかったんだろうなぁ。
サビを拾わなかったら逃れられたか分からん。
きっとおれってサビを救ったつもりでサビに救われたんだ。