以前の住まいで一度、明け方半分目が醒めかけていたらベランダの方の窓から猫が入って来た
ちらっと見たら知らない猫だったが俺はあー窓ちゃんと閉めてなかったかとぼんやり思った
猫はそのまま寝てる俺の肩口あたりから布団に入って来て、俺の脚の横あたりで丸くなる感覚があった
体に沿ってしゅるしゅるっと布団に入ってくるすべすべした毛の感触や秋の夜の空気で冷えた猫のひんやりした中にある温かさがとてもリアルだったが
はっと意識が明瞭になったら勿論猫はいなかった
ただ布団の肩口あたりがすっぽりと何かが通り抜けたように丸く口を開けていて、布団をめくったら猫が丸くなったと思ったあたりが丸くくぼんでいた
鯖白の大きな猫だったが夢にしては不思議な体験だった