子供の頃の話。
小学校5年生くらいの頃、俺は生意気なクソガキだった。
そんな俺もじいさんにはよくかわいがってもらった。

じいさんの家とは近くてよく遊びに行ってた。
その日も、家で見てると怒られるカルトQってマイナーな番組を見るためにじいさん家に行った。

いざ番組がはじまってみるとTVの電源を切ったりつけたりされた。
「もー!やめろよクソジジイ!」

普段からいたずらが好きなじいさんだったから、じいさんのせいだって決め付けて怒鳴った。
いつもならそこで意地悪な笑い声が聞こえてきてリモコンを返してくれるはずだった。

振り返るとじいさんがいない。横の布団には
全身タイツみたいな黒い影があって…
「そういうの怖いからやめて!トイレいけなくなる!」

そう言いながら叩いたら叩いた部分が煙のように消えていく…
怖くて電気をつけたらそこには何もなくて…
リビングで歯磨きをしていたっぽいじいさんが寝室に走ってきて

「どないした?」

心配そうに聞いてくれたけど、なんでもない。遊んでただけ。そう言って追い返してしまった。
その後、すごく怖くなって眠れなかった。
後にも先にもその一度きりしか見なかったし、その後は怪奇現象に遭遇したりもしなかった。
大人になってからじいさんにその話をしたら、クロンボって生き物かもしれないと言われた。

ぐぐっても出てこないけど、もう天国に行ってしまったじいさんには答えを聞けない。
今考えても個人的に恐ろしい出来事だった。