俺が中学生の頃の話。霊とかの話じゃなくてスマン。
夏休みに自由研究として毎日記録をつけられるものを各自で決め、夏休み明けに提出する事になった。
題材は何でもいいという事だったので俺は面白半分である事を思いついた。
住んでいた所が田舎だったため、信号機が夜8時以降は点滅になり、
交差する一方の車線は赤信号の点滅で一旦停止しなければならない。その信号は俺の部屋のベランダからよく見え、
交差点先の空き地で取り締まりをしているパトカーもよく見えていたので、
違反して捕まる車の数を自由研究としてやる事を決めた。
もちろん毎日やる訳ではないので、取り締まりがない日は適当に「今日は警察がいなかった」とか書いてたと思う。
地元の人はここがよく取り締まりをしている事を知っているので多分、町外の人が捕まるんだと思う。
違反した車があると交差点先で止めてるパトカーが回転灯を回し、車外にいる警官が車を止め空き地に車を誘導する。
取り締まりがある日は最低でも1〜2台は捕まる車を見れたし、
ベランダから交差点を見ていて「この車やばいw捕まるw」とか見てると妙に楽しかった。
でもたまに一旦停止しなかった車が警官に止められ警官が運転席の人に話しかけるが、
空き地に誘導する事なくそのまま見送るという事がたまにあった。
車は逃げている様子もなくパトカーも追いかけたりしなかったので、そういう場合は
「違反したけど見逃してもらった数」としてカウントした。
夏休み明けに各自提出し、全員の自由研究は町役場のロビーに貼られたり、展示される事になった。
提出をしなかった者はかなりの量の漢字の書き取りを命じられた。
しかし俺の自由研究は町役場に貼られなかった。
当時は先生に何か理由を言われたけどその理由がなんかあやふやで腑に落ちなかった。
一応提出したことになり漢字の書き取りはやらずに済んだ。

それから数十年経ち地元の友達と飲んでいる時、たまたま友達がシートベルトで捕まった話になり
友達が「◯◯のオヤジがよく言っとるけど、昔は部落の人間は違反しても見逃してもらえたらしいぜ。いいよなぁ部落はw」
という言葉を聞いて「あっ・・・なるほど」と自由研究の話を思い出した。
俺は途中で転校したからあまり詳しくなかったけど、そう呼ばれる地域があったみたいで。