ちいちゃんはある日道端できれいな石を拾った。ポツンと雨のように空から降ってきた。
とても不思議な金平糖のように小さなキラキラした石。落ちてくるのを夢中になって拾った。
「ちいちゃん、そんな汚いもの拾うんじゃないの!」
母親に止められた。家に帰ってから石を大事にしまっておいた。
次の日もちいちゃんは道端できれいな石を拾った。昨日より大きめの石が降ってきた。
宝石のような艶々な石があった。ちいちゃんは空を見上げた。もっと降ってこないかな....
母親がやってきた。
「ちいちゃんダメって言ったでしょ。汚いから。ここは昔から崖崩れがあるから危ないのよ。」
連れられて家に帰った。
次の日ちいちゃんは学校に石を持っていった。友達はみな羨ましがった。
「空から降ってきたの。」とちいちゃんが言うと、みんなは半信半疑だった。
それから翌日台風がやってきた。ちいちゃんは崖崩れが怖いので早く帰った。
そして次の日ちいちゃんの話を言伝に聞いたクラスメートが話しかけてきた。
「ちいちゃんその石捨てた方がいいよ。妹も拾ったんだけど。」
ちいちゃんがなんで?と聞くと、
「草村から知らないおじさんが投げてたのを見て逃げたんよ。」