>>491
空海の生まれは父方は佐伯直氏です。

佐伯直氏というのは、
上古に大和朝廷に服属した蝦夷、これを佐伯部というのですが、
この佐伯部を、大和朝廷は、播磨、安芸、讃岐、阿波、伊予の五ヶ国に分散して移住させます。

そして、それぞれの国においてこの移住蝦夷=佐伯部の監督・統御の任に就いたのが佐伯直氏です。
空海の父系氏族は、この内、讃岐の佐伯直氏です。

蝦夷はご存知の通り、
北方渡来系韃靼人の政権の地だった越(北陸)のうち、大和朝廷の制圧を受けたのちも、いまだ服属を受けることを拒んだ一派が出羽から陸奥方面に逃げ込んで一大勢力を成した、
大和朝廷にとっては最大・最強・最後の抵抗勢力となった一団です。

大和朝廷は、歴史時代に入ってからも、この「鬼の系譜」を引く蝦夷の制圧に執念を燃やし続けたことは、もいんさんもご存知の通りです。
空海が、まつろわぬ霊たちの封印に生涯をかけた最大の理由が、
空海が、そんな投稿蝦夷の制御・監督の任を受けた家系の生まれであることと無縁でないでしょう。

また、空海の母方氏族が、物部連の阿刀氏であることも、空海のこうした生き様に多いに関係していることでしょう。