『夜話で道元が言った。

世間の人は善事をなす時は、他人に知られようと思い、悪いことをする時は、人に知られまいと思うので、この心は仏の心にかなっていないので、なしたところの善事に報酬はなく、人に隠れてするところの悪事には罰があるものだ。

こうした人は、自分の経験を振り返って思うには、「善事をやっても見返りはない。仏法に現世利益はない。」などと思うのである。

こうした考え方は間違った考え方である。特に改めるべきものである。』

善事悪事、善行悪行の根底に流れているのは、洋の東西を問わず、善因善果、悪因悪果で一定している。

ところがこれが、現代にあっては非科学的という理由で退けられている。

逆に「善いことなどせず、隠れて悪いことをしまくっても」引き寄せの法則のとおり行動すれば、金もメリットも自分のところに舞い込むという、奇怪な『引き寄せの法則』が横行するような時代になっている。