「あのね、その年に資格が得られた男はね、大晦日の夜にね、神社の境内へと集められてね、いきなりズボンを脱がされて、“ナニ”を披露させられるの。そう、村人全員の前で。そうだよ、同級生の女の子だの、
親兄弟だのが見守る中で、だ。そりゃあね、恥ずかしいよ。なにせね、みんなが見てるんだもの。しかも、それこそ暮れの寒い時期だ。あなたも男ならばわかるだろうけれども、あれだけ寒い中でだ、いきなりむき出しにされたらね、
いきり立つどころか、逆に縮こまっちゃう(笑)。けれどもね、出すわけ、男は。するとね、今度は斜めに立てかけられた台の上に仰向けにさせられてね、さらに丸見えの状態にされるわけなんだけれどもさ、そしたらね、夏の初め頃に
とっておいたハスの花のね、枯れたやつを立てるの。そう、皮の先っちょで包むようにしてね、活ける感じ。それでもって、見事、花が倒れずに立ったら、成人と。そういう儀式よ」
正直なところ、あまりに“チン妙”すぎて、門外漢である我々にとっては想像もつかない内容ではあるものの、いずれにしかり、余った「包皮」を使って、ハスの花を「生け花」のように生けるという儀式であることだけは事実である様子。
たしかに、その内容だけを聞く分には、美容整形業界によって「無用の長物」とされてきた男性器の「包皮」が重要なものであるように思われてくる。

「あのね、この儀式が無事に終わらないと、男たちの世界じゃ、いつまでも子ども扱いだからね。だからみんな必死なの。なにせね、生まれてきた赤ん坊がだよ、男の子だってわかると、みんなで毎日、ちっちゃいナニの皮をひっぱるぐらいだからね」