新村橋を渡り暫く樹林帯を進むと、屏風の頭へ進む道との分岐点がある。屏風の頭を越え涸沢を経て、穂高に繋がる登山道である。
登山客と別れを告げ、そのまままっすぐ進むと視界が開けやがて池が見えて来る。奥又白の池である。
目の前には大岸壁がそそり立っている。
前穂高東壁―。

切れるはずのないナイロンザイルが切れて友を失った○○は、やがて恋人のために滝谷を登り命を落とす。