励ましてあげる。

高校のときのスキー体験合宿にて。
初心者8人班に先生一人。若いお姉さんだった。
一日目は滑る前の基本から。
何も期待してない、こけ方と起き方だけは絶対にクリアしてこいと親に言われてきた。
これはどうにかクリア。
妙な拍子にヌッ転ぶ・転んだら起きれない準運痴のわたしの友。
その友に「大丈夫、できるようになるからね」と笑顔で言う先生。
二日目はいよいよボーゲンの練習。
次第にヌッ転びだすみんな。「大丈夫よ〜」ともう一度先生レクチャー。
「これこれこうやるんですよ、とにかくやってみましょう」
たった一人何回やっても身に付かない、筋金入りの運痴、それはわたし。
リフトに乗る。まともに降りられない。
滑り出す。猛スピードで落ち、転ばないと止まれないわたし、転んだら立てない友。

「大丈夫か!?」ついに担任登場。
気がついたら班のみんなも、先生も居なくなってた。
「せんせー、こんなのできないよ。帰りたい!もっとちゃんと教えて!」

その日の後半から、うちの班は6人班になった。
わたしには担任、友達には別のクラスの担任がついて、マンツーマン。
表面上、8人班にみせかけられてたけど、先生はわたしたちのことは一切無視。
惨めだった。
小5の夏、自由参加のプールには参加させてもらえず、泳げない者のクラスに絶対参加を言い渡され、
夏休み中クラスのみんなのプールが終わった後に、毎日ひとりぼっちで学校に通ったことを思い出す。

でも、担任は事細かにコツを教えてくれて、姿勢や体重のかけかたもしっかり教えてくれた。
どうして加速しまくるのか、止まるにはどこに力をかけるのか。理屈まできっちり。

最終日、二人ともどうにかこうにか、予定のレベルを消化して終了。
「教える」のが上手な人に頼んだことと、あとマンツーマンになったんで
みんなの前で醜態さらさなくて済んだ分、うまくいったんだと思う。
50メートル11秒でも、ハードル全部倒しても、ボール全部顔でキャッチしてても、ボーゲンは絶対できる。
これだけは保証する。

怪我しない方法だけは絶対ものにする、運痴なんだから地道にやること、恥のかきどころを間違えない。