イギリスにはタレント発掘のための「Britain's Got Talent」というTVオーディション番組があるそうです。
ポール・ポッツはその番組に応募してきた無名の携帯電話のセールスマンです。ポッツは幼いころ、
ブサイクな外見のせいで、周囲からいじめられ続け「自分の歌声だけが友達」と、10歳から教会で
歌い始めました。成人後も携帯電話の販売員などをしながら、独学でオペラを学び続けましたが、
主に外見的な理由でオーディションは落選の連続。いつの間にか36歳となっていました。
ステージに現れた彼は、よれよれスーツの全く風采のあがらない中年男で、カメラの前で棒立ちです。
審査員の質問にも緊張で、どもりながら答えます。「お・お・オペラを歌いに来ました」これを聞いた
審査員の表情は冷淡そのもの。失望感すら感じられます。観客の反応にも期待感はまったく見られません。
そんな冷たい空気の中、彼は、おずおずと歌い始めるのですが、・・・・そのあとの展開はまるで
劇映画のよう。自分の目で確かめるのが一番です。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1523578

名曲「誰も寝てはならぬ」を熱唱し、その容姿ゆえに最初は冷淡だった審査員を瞬時にして魅了。
見事予選を通過し、最終的に優勝を勝ち取りました。そして、優勝後の7月23日に発表された
「ワン・チャンス」は、全英総合チャートで3週連続1位、欧州各国だけでなく韓国、台湾など
9カ国・地域で1位を獲得しました。長い苦労が報われたポッツですが、性格は謙虚なまま。
日本デビューを前にしても「日本で僕を知ってもらえているとは思えないな。僕の歌を
気に入ってくれるといいんだけど」と、あくまで控えめにアピールしています。