歴史の歪曲も多い。本の中でも書かれているが、現在行われている「シャクシャイン」の法要祭も実は中心となっている部族はシャクシャインと敵対していた側のアイヌだという。

松前藩側についていたアイヌもおり、「シャクシャインの戦い」は部族間での利権争いが本質とのことで、決して松前藩=和人vs.アイヌといった単純な二項対立の構図ではない。また、この本によると、現在、シャクシャイン側のアイヌが祭りに参加しないのは別の理由があるようである。

後述するが、平凡社の百科事典は、アイヌに関する記述は詳細だがかなり偏っている。一方に偏った目線の中にも事実が見え隠れしているような気がするので、岩波の広辞苑の「シャクシャイン」の項の記述と併せて以下に「シャクシャインの戦い」の説明を転記をしておく。