私は日本という国は世界で最も律儀な国だと思っている。
韓国との関係においても、国際法的にはすべて解決済みにもかかわらず、韓国に何度も支援の手を差し伸べてきた。
慰安婦問題についても、村山内閣時代の95年、フィリピン、台湾、インドネシア、オランダ、そして韓国の元慰安婦への支援のため、アジア女性基金という財団をつくり、1人あたり計500万円相当(韓国の場合)の“償い金”を支払っている。
財団はその役割を終えて2007年に解散した。

 これで一応、慰安婦問題は解決したはずだったが、なぜか韓国だけが10年もたたないうちに、慰安婦問題を蒸し返し、韓国国内外に慰安婦像の設置を始めた。
日韓関係が決定的に悪化するのを避けるため、米国のあっせんで外相同士が対話して、
15年12月、韓国政府が元慰安婦支援のため設立する財団に日本政府が10億円を拠出することなどを条件に、日韓間の慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認したのである。
「不可逆的」としたのは、韓国に何度も裏切られた過去の経験を踏まえてのものだったが、やはり、合意は守られなかった。
ソウルの日本大使館前の像も撤去されず、米国でも像の設置を続けている。
韓国の反日活動家は、よほど銅像を建てるのが気に入ったのか、最近では徴用工の像まで建てはじめた。
北朝鮮も銅像を建てるのが好きな国であるし、銅像の設置は民族的特性かもしれない。
現在の文在寅大統領になって、慰安婦支援の財団の解散も決めた。そういうつもりならそれで構わないのだが、日本側が拠出した10億円を返す様子が見られない。

 これまで挙げた例を見ても、おかしいのは日本ではなく韓国であることが誰でもわかるだろう。もういい加減、日本は韓国に対して思い切った行動をとる時期に来ている。
河野太郎外相は、歴代外相の中では強硬な態度をとっていると思うが、それであの国に対して伝わるかというと心もとない。