ワンタイムパッド暗号(バーナム暗号とも呼ばれますな)を解読することは、
鍵を知らない者にとっては
全く意味のない乱数列から意味を取り出すことと等価なんですよ。

たとえば、16 オクテットからなる暗号
「1b5dc0a7eb2383dac934c783d032dc32」を総当りで解読するとしましょう。
鍵長=メッセージ長さなので、鍵も16オクテットです。
「00000000000000000000000000000000」から
「FFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFF」まで
試行することになります。
しかし、試す鍵次第でこの暗号は
「9月11日に決行!」とも
「広島・長崎:8月」とも復号できることに注意してください。

結局、鍵を知っている者だけが送信者の意図する復号が可能です。
これは、端的には「鍵長=メッセージ長」という事実に
起因する特徴です。
(逆にDESやAESのような「鍵長 < メッセージ長」な
暗号の場合はどうなるか考えてみてください。)

というわけで、ワンタイムパッド暗号の前提、つまり、
送信者と受信者が同一の鍵(真の乱数である必要がある)を安全に
共有しており、かつ同じ鍵が2度と使われない、という前提が
本当に厳密に成り立つならば(これが難しいのはご承知の通り)、
ワンタイムパッド暗号の解読は不可能です。

で、量子暗号の理論によれば、
上記の前提を実現できるということに一応なってます。