生兵法は怪我のもと(仮題)   ここまでのあらすじ

主人公:わっしょい(ネットワークに精通している。と思いこんでいる。悲しい程に・・・)
被害者:ニー○ン博士(管理人。知識はないが、それを自分でも認識している。忍耐強い)


わっしょいはある日奇妙な一致に気づいた。(この掲示板のログは容易に見ることができる)
ある名無しさんの発言が、管理人であるニー○ン博士のIPアドレスと一致している。
「そうか!これはジサクジエーンだ!管理人のやろー。名無しに化けて俺に文句を垂れるとはイイ度胸だ」
ニー○ン博士を問いつめるわっしょい。
「なんで名無しのふりをするんだ。言いたいことがあるならばはっきり言えよ」
きょとんとするニー○ン博士。そんな覚えはないからだ。
「え?いや、そんなことはしていませんが…」
「IPアドレスが同じなんだよ!だから自作自演なんだよ!素直に認めちまえよ!」
「そう言われても…」
必死で考えるニー○ン博士。自分が無実であることは自分が良く知っているからだ。
「そうだ…。そういえば、僕の友達も同じIPアドレスですが」
「ハァ? そんなわけ無いだろう!嘘をつくんじゃない。IPアドレスは世界に一つしか無いんだよ!」
戸惑うニー○ン博士。一体どうやって無実を証明すれば良いのか。
「そうだ。IPアドレスの表示されるCGIを使えば、僕と友人のアドレスが同じなことを証明できます」
嘲笑うわっしょい。
「はん。勝手に言ってろよ。同じIPアドレスは存在しないんだよ。それが定説。
  大体、ろくにIPアドレスも知らない人間がワシと対等に話そうなどおこがましい」
忍耐強いニー○ン博士は、黙々とCGIを設置する。
実験の結果、ニー○ン博士とその友人のアドレスは同じであることが判明する。
  (この時点でIPアドレスは公開されたわけで、ちょっと調べればこれがプロバイダのプロキシで
   あることが容易に判明する)
まったく動じないわっしょい。
他の人間も色々と推測を述べる。
「ダイヤルアップで、偶然一致する事があるのでは?」
「学校のPCからだと、同じアドレスになるよ?」
「黙らっしゃい」切り捨てるわっしょい。
「無知な癖にでしゃばってキャンキャン吠えないでもらいたい」
ついにニー○ン博士がプロバイダに問い合わせる。その結果は大方の予想通り。
・・・同じ時間に同じIPアドレスが振られることはございません・・・
・・・が、プロキシサーバを介した場合には、プロキシのアドレスとなります・・・。
これですべてが解決する。誰もがそう考えた。心情として、早とちりをしたわっしょいに
同情を寄せた者もあるかもしれない。
が、事態はここで皆の予想を遙かに越えた。
「ほら、俺の言った通りじゃないか!」
わっしょいが叫んだ。一同凍り付く。脳裏に浮かんだブルースクリーンから復帰するのに数秒を要した。
「だから、同じIPアドレスは存在しない。俺の言った通りだ。
  それに何度も言っているように、串を通せばIPは串のものになる(おいおい、言ったか?)
  勝者は始めから決まっているんだから。さあて、どう賠償して貰おうかな?」(こいつ正気か?)
あまりの事態にとうとう2ちゃんねらーが介入する。このまま放っておくのは危険過ぎるからだ。
2ちゃんねらーの面汚し…いやいや…同類と思われたくない…いやいや…。
と、とにかく。お前もう止めろと。お前の負けだよ、認めろよと。
しかしわっしょいはこれにも食ってかかる。
「おやぁ。串もさしてないの?町名まで分かっちゃうよ。刺し方知らないのぉ?」
自分の完全勝利を信じて疑わないわっしょい。
ああ、わっしょい。   我らがわっしょい。   僕らは君のことを生暖かく見守っているよ。