光が丘新聞 2070年

80歳でもプロを目指し続けるアマチュア・ボディビルダー鹿島康仁さん

20代からアメリカの名だたるボディビル大会に出場し結果を出してきた鹿島康仁さん(80)。
なぜ今でもアメリカにわざわざ出向き大会に参戦するのか現在でも住んでいる実家のぶどう園で聞いてみた。
「初めは日本の大会に出とたんじゃがのう。なかなか入賞できなかったんじゃよ。同期で大会に出ていた仲間はどんどん...どんどん身体が大きくなってのぉ。」
遠くを見つめながら話す鹿島さん。実家のぶどう園を継ぐ事は考えなかったのか聞いてみた。
「野球でも成功しなかった...浪人までしてなぁ...弟とは違ってのぉ。」
弟さんが傍で作業をしていたので話を伺おうとしたら、やんわりと断られてしまった。
鹿島さんの話は更に続く「有名になりたかったんじゃよ...」ポツリと呟いた。
「ただ...ただ...有名になりたかったんじゃよ...」
120分話した後での突然の嗚咽、泣きながら話しは続く。
「アメリカに渡って人数の少ない大会に出て、優勝すれば雑誌に載ってスターになるはずだったんじゃ...」
何歳まで続けるつもりかと尋ねたところ...
「夢かなうまで挑戦じゃよ...やればできるは魔法の合言葉なんじゃから...」