日本にレジャーとしてのスキューバダイビングが流行し始めた頃
海の事を知り尽くしたイントラは神と崇められていた。
使用される器材の殆んどが欧米からの輸入品で国産品など創成期時代だから
話にならない代物ばっかりの中で、唯一、創造性に富み質実剛健な器材が存在した。
Sプロだ!神と慕われた海の猛者達は挙ってSプロを選んで使っていた。

彼らが話す武勇伝には、岸から遠く離れて漂流してしまったグループ全員が
初期のオレンジスタビを使っており、視認性の高いオレンジ色が
沖合いを航行する貨物船に発見され、全員無事に保護されたとかを
呂律の回らなくなった語り口で耳にタコができるほど聞かされたらしい。