メタボ「Wii Sportsやってるのに全然痩せない」
メタボ「なぜだ・・・」
姪 「おいちゃん、アーチェリーしかしてないじゃん。せめてWii Fitやりなよ」
メタボ「あれは心折れるからダメ」
姪 「この根性なし」
メタボ「それ、Fitのトレーナーにも言われたよ」
姪 「トレーナー、結構口悪いんだね」
メタボ「あーあ、せめてトレーナーがもっと可愛かったらどんなキッツいトレーニングでも続けられるのになぁ」
姪 「・・・しょうがない、私が魔改造Wii Fit作ってあげるよ」
メタボ「え、ホント? トレーナーの顔も自由に選べる?」
姪 「肖像権の問題があるから柴田理恵か大久保佳代子のどっちかだけどね」
メタボ「その二人にだって肖像権あるよ! 問題があっても構わないから有村架純にしてよ!」
姪 「分かった分かった。じゃあ1週間後くらいには出来ると思うから」
メタボ「さすが僕の姪っこ! 天才!」
姪 「でも作るからにはちゃんと痩せてよね」
メタボ「有村様にシゴいていただけるなら、−30kgも目じゃない」 ***
1週間後
姪 「おいちゃん、魔改造Wii Fitできたよ」
メタボ「はぁはぁ・・・有村様・・・」
姪 「・・・おいちゃん」
メタボ「あ、ごめん。アイマスクしてトリップしてたから気付かなかった」
姪 「おいちゃん、緊縛プレイするならせめてカーテンくらい閉めな。外から丸見えじゃん」
メタボ「そんなことよりその手に持ってるのはまさか・・・!」
姪 「うん、約束のもの。これでしっかり運動して、昔のスリムなおいちゃんに戻ってね」
メタボ「ははは、スリムどころか筋肉でロニーコールマンみたいになるかもな」
姪 「はい戯言戯言。スイッチオン」ポチッ
メタボ「メタボ、わくわく!」 ボード「起動シマシタ・・・。乗ッテクダサイ」
メタボ「よいしょ」ズシッ
ボード「ギエッ!」
メタボ「・・・こういうのがいちいち傷つくんだよな」
姪 「大丈夫、痩せたら反応も変わってくるから」
メタボ「まぁボードは別にどうだっていいんだ。有村架純がシゴいてくれるならそれで」 ボード「最初に身長と体重を入れてくだサイ」
メタボ「ええっと身長180cm、体重60kgっと・・・」
姪 「おいちゃん、ゲームで嘘ついてどうすんのさ・・・」
メタボ「あ、これマッチングアプリ用の設定だった」
姪 「たとえマッチしても別人すぎて絶対会えないじゃん」
メタボ「ええと確か身長と体重は・・・」ポチポチ
ボード「このBMIでよく生きてましたネ」
メタボ「健康診断の医者みたいなこと言ってくる・・・」
姪 「ほら、めげないめげない」 ボード「それではあなたのトレーナーを選んでくだサイ」
メタボ「え、有村架純以外も選べるの?」
姪 「有村架純に飽きたときにいいかなって」
メタボ「そんなセリフ、ローマ皇帝でも許されぬ」
有村 「私と頑張ってトレーニングしましょうね!」
柴田 「あたしも最近太っちゃってさぁ!」ガハハ
大久保「見る? あたしのお腹まわり」
メタボ「・・・。なんでこんな無駄なキャラ作るのさ・・・」
姪 「でも複数のトレーナーをとっかえひっかえしてると、ヤキモチ妬いちゃうから気をつけてね」
メタボ「え、有村様にヤキモチ妬かせるにはこの地獄も耐えなきゃなんないの?」 有村 「う〜ん、このお腹はけっこう、というかかなりまずいですね」
メタボ「えへへ、そうですかねぇ・・・」
姪 「おいちゃん、きもくなっちゃってるよ」
有村 「・・・というかこのBMIでよく生きてましたね」
メタボ「まいったなぁ〜・・・うぇへへへ・・・」
姪 「おいちゃん、さっき同じセリフ言われてへこんでたじゃん」
有村 「私は別に太ってる男性は気にならないんですけどぉ・・・」
メタボ「え、じゃあダイエットやめちゃおうかなぁ、へへへ・・・」
有村 「でもあなたが太り過ぎで病気になっちゃうのは嫌だなって・・・」
メタボ「僕はこのダイエットに心臓を捧げる!」
姪 「おいちゃん、分かってると思うけど、相手はプログラムだからね。本物の有村架純じゃないからね」
メタボ「心臓を捧げる!」 有村 「じゃあ早速、脂肪燃焼コースを始めましょう。まずはスクワットから」
メタボ「いきなり苦手なのが来ちゃったなぁ」
姪 「大きい筋肉を鍛えるのは燃焼効率がいいからね。がんばれがんばれ」
有村 「どうしました、そんなものですか?」
メタボ「ブヒィ! 僕はどうしようもない豚です! もっと罵ってください!」
姪 (焚き付けるつもりでセリフをプログラムしたのに、逆効果になっちゃった) ***
5分後
有村 「いい汗かきましたね。とても良い姿勢を保てていました」
メタボ「ひぃひぃ・・・キッツいこれ・・・」
姪 「そう言いながらも満面の笑みなの、素直に尊敬するよ」
ボード「頑張ったので、ポイントを進呈シマス」
メタボ「何このポイント?」
姪 「トレーニングしたらポイントが貯まるんだよ。貯まったポイントはトレーナーの衣装とか、新キャラの開放に使えるよ。そのショップってとこ開いてみて」
メタボ「へぇ・・・。おほっ! これはこれは!」
姪 「まぁベタだけどナースとかバニーとか・・・おいちゃん、顔上げてよ。いきなり自分の姪に土下座しないでよ」
メタボ「ボンデージの女王様もお願いします。何なら課金するんでお願いします」
姪 「課金ありにしたら絶対トレーニングしないでしょ。ほら、有村架純のバニー見たかったら1万ポイント貯めなきゃ」
メタボ「頑張るのでボンデージをなにとぞ」
姪 「分かった分かった」 ***
3時間後
メタボ「よ、よーし次は腕立て30分コースいこうかな・・・」
姪 「おいちゃん、1万ポイントって長続きさせるためにかなり多めに設定してるんだからね。1日や2日でどうこうなるものじゃないからね」
メタボ「大丈夫、大丈夫。ホントは立ってるのもやっとだし、なんなら幻覚も見えてきたけど大丈夫だから」
姪 「大丈夫とは一体・・・」
有村 「ちょっと根を詰めすぎていませんか? 最初から頑張り過ぎると、長続きしませんよ」
メタボ「有村様、ご心配なく! 最悪、明日筋肉痛で無断欠勤するだけですから」
姪 「おい」
有村 「明日も一緒にトレーニングできないのは寂しいです・・・」
メタボ「さあて、シャワー浴びてプロテイン飲んだら明日に備えて寝るか!」
姪 「・・・単純過ぎて涙出てきた」 ***
2週間後
姪 「おいちゃーん、また遊びに来・・・どなた?」
メタボ「あなたの叔父です」
姪 「うっそ?! あのビール腹が見る影もないんだけど!」
メタボ「あんまり腹筋触ってると指挟んじゃうから気をつけてね」
姪 「シャツの上からもバキバキに割れてるのが分かる・・・。なにコレ、用水路みたいになってる」
有村 「さあ今日もひねりを入れた腹筋5万回から軽く流していきましょう」
姪 「しかも運動強度上げすぎて刃牙みたいなメニューになってるし・・・」
メタボ「あ、そういえばコスチュームコンプリートしたからアプデをお願いね」
姪 「隠しコスチュームのふんどしとはっぴまで開放してるじゃん・・・。あれ、ふざけて1億ポイントに設定したはずなんだけど・・・」
メタボ「職場でも隠れてやってたからなぁ」
姪 「多分隠れられてないよ・・・。変貌が凄すぎて、怖くて注意できなかっただけだよ・・・」 姪 「というか、これ以上トレーニングしない方がいいんじゃない? せっかくスマートになったのに、今度は逆に大腿筋でスーツが入らなくなるよ」
メタボ「僕は元々、スーツが着たくてダイエットを志したんじゃない。痩せてモテたいからダイエットを始めたんだ。だが今は有村様がいる。この意味が分かるね?」
姪 「よく分かんねっす」
有村 「行きますよー? せーの、1!」
メタボ「1ぃ!」
姪 「怖い怖い。青筋立てながらニコニコ顔でトレーニングするの怖い」
メタボ「有村様ぁ! もっと・・・もっとシゴいてください!」 姪 「まぁ、太り過ぎよか絶対いいと思うけどさ・・・」
メタボ「有村様も僕の上腕三頭筋が素敵って褒めてくれる2ぃ!」
姪 「そんなセリフ、プログラムしてないよ。幻聴だよきっと」
メタボ「ジョウワンサントウキンガステキ!(裏声)」
姪 「もっと重症だった・・・」
メタボ「どしたい? 化け物でも見るような顔して」
姪 「・・・まぁいいや。じゃあアプデするけど、その間、有村架純は使えなくなるからよろしく」
メタボ「え?! トレーニングできないの?! 3!」
姪 「いや、トレーニングはできるよ。柴田理恵と大久保佳代子、それからポイント追加キャラの梅沢富美男となら」
メタボ「そ、そんな!」
姪 「前も言ったけど、他のトレーナーとトレーニングしたら、妬いてる有村架純が見られるよ」
メタボ「ぐぬぬ」 ***
2週間後
姪 「おいちゃん、やっほ・・・またメタボですやん・・・」
メタボ「レオタードの柴田理恵とトレーニングをするというストレスが、暴飲暴食のトリガーを引いた。それだけだ」
姪 「たった2週間でこうもリバウンドするとはね・・・」
メタボ「君も最愛の人と離れ離れになったら分かるさ」
姪 「あ、そうそう、アプデしといたから、有村架純使え・・・おいちゃん、突然人の靴舐めるのやめようよ。それされて嬉しい人いないよ多分・・・」
メタボ「あなたは天才です。天才プログラマーです」
姪 「ほら、ハンカチ貸してあげるから血涙拭きな。あと一応眼科も行ったほうがいいよ」 ***
メタボ「2週間ぶりに有村様に会える!」
有村 「・・・」
メタボ「うひょお! お久しぶりでございます!」
有村 「・・・」プイッ
メタボ「あれ、有村様?」
有村 「・・・記録見たら他の女の人とトレーニングしてるみたいなんですけど」
メタボ「い、いや! あれはほとんどトレーニングじゃないっていうか! そもそも柴田理恵は女ですらないっていうか!」
姪 「おいちゃん、これただのヤキモチイベントだから。話しかけても反応してくれるわけじゃないから」
有村 「私以外とトレーニングするの、嫌です」
メタボ「ご、ごめ有村様・・・いや架純ちゃん! ホントごめん!」
姪 「おいちゃん、モニターに向かって誠意を込めた土下座するのやめな。姪として哀しくなってくるから」
有村 「では早速今日のメニューを開始しましょう!」
メタボ「・・・」
姪 「こ、こっち睨まないでよ・・・。しょうがないじゃん、プログラムなんだから会話の流れが不自然になるのは・・・!」 ***
有村 「はい500!」
メタボ「はぁはぁ・・・ぬうう500ぅ!」
有村 「今日のトレーニングは以上です。明日も欠かさず、頑張りましょうね」
メタボ「は、はひぃ・・・!」
姪 「おお、大したもんだね。ボンデージ開放の道のりは険しそうだけど」
メタボ「トレーニング中に少しずつ脱衣してくれたらもっと頑張れるんだけどなぁ・・・」
姪 「おいちゃん、元気なのはいいけど、姪の前なんだから少しは自重しようね」
メタボ「もちろん冗談だって。そんな手間のかかること・・・。あ、でも最初から全裸だったらそんなに大変でもないか・・・」
姪 「私は技術じゃなくて倫理の話をしてるんですけど」