新しい依頼が舞い込んだ!
久しぶりに書いたショートショートが新鮮なのもあって、
もう一作、さらさらと書いてみた! 気分転換に実によい!

『正直者のマミちゃん』

 マミちゃんは小学生になりました。大きなランドセルはピカピカで、学校から帰ったあともいっしょです。
 今日は家の近くの公園に一人であそびにきていました。もちろん背中にはお気に入りのランドセルがありました。
 すなばを使って大好きな絵をかきます。そこに少し大きな男の子がきました。絵を見ると指さしてわらいました。
「なんだよ、それ」
「わたしのパパとママだよ」
 マミちゃんがいうと男の子はムッとした顔になりました。
「ウソつくなよ」
「ウソじゃないもん。こっちがパパで、こっちがママだもん」
 パパはぼうのように細くて口がとびだしていました。
 ママはまんまるで手が四本ありました。
「うちゅうじんじゃん!」
 男の子は大きな声を出して、どこかにいってしまいました。
 マミちゃんは少しおこったみたいでした。それでも絵をかいてあそびました。
 そらが赤くなってきました。五時にながれるおんがくが聞こえてきます。マミちゃんは立ちあがりました。
「かーえろっと」
 げんきにうでを振って白いおうちにもどりました。部屋にいたパパとママがにこにこした顔で言いました。
「マミちゃん、おかえり」
「ただいま。今日ね、パパとママの絵をウソっていわれたんだよ」
 まる顔のパパはわらってうなずきました。となりにいたママは両手をつかってぬいものをしています。
「うちゅうじんだっていうの」
「マミちゃんはもう少しウソつきにならないとね」
 パパがいうとママも同じようなことを言いました。
「だってぇ、がっこうのせんせいがウソはダメっていうんだもん」
「そんなマミちゃんにうれしいおしらせです。今日、パパがプリンをかってきました」
「え、ホントに。すぐたべたい!」
 マミちゃんはほおを赤くしていいました。すると頭がぱっくりわれて、ヘビのように長い舌がとびだしました。
 それを見たパパとママは口をそろえて言いました。
「マミちゃんは正直者だね」と。