戦士プギャーは襲いかかる依頼主をロングソードで斬り捨てた。
屍となった彼女の手にはプギャー宛の手紙が握りしめられていた────。



『まず、試すような事をしてごめんなさい。あなたの心を覗いて安心したかった。

あなたは物乞いにゴールドの詰まった財布を与えた。あなたは期待を遥かに超え、自分の命よりも他人の命を優先するような方だった。だけど、例えゴールドが千あっても全ての命を救う事はできない。

だからこそ、その優しさの犠牲にならないで欲しい。私のようにそこに付け込む者もいるのだから。そして時には、より大きな利益のために苦渋の決断を下さなければならない事もあるでしょう。助けられる人は助けてもいい、でもあなたにはやるべき事をやって欲しい。

最後に、私が生前知っていた人達。どうか私の死を嘆かないで欲しい。あなた達が私に言っていたように、過去ばかり振り返る者は、未来に終止符を打つ事になってしまう。

私はここでお終いにしようと思う。さようなら』



プギャーは読み終えた手紙を破り捨てると、夜の歓楽街へと消えていった。