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アドバイスを元に修正しました。

カップラーメン

僕は父と仲が悪かった。
僕が高校3年になって芸術大学に進学すると言ってから「お前は普通の職に就け」と言われ反抗し、口を利かずに家を出た。

高2からバイトをして貯めたお金。そして父には内緒で母に借りたお金。奨学金。祖父母からも借りた。

今は大学生になり、バイトを掛け持ちしながら、大学の近くで一人暮らしをしている。趣味は絵を描くことだ。よくみんなから「絵が上手だから手先が器用で料理も上手でしょ」なんて言われるが炊飯器でお米を炊いてもベチョベチョになったり、包丁で手を怪我したりと不器用で苦手なのだ。

ある時ふと、あの家はもう自宅というのではなく、実家と言うのかなんて考える。去年のうるさいほど飛び交う罵声が懐かしく感じた。

夏の暑い日、友達の金島と小根山が僕の家に来た。2人とは大学で知り合ったが、僕のように親の反対を押し切り大学に来たらしい。


なんで来てくれたん?と聞くと「今日矢崎の誕生日だろ。だから来たんだよ」と言って僕の大好物のカップラーメン塩味を買ってきてくれた。

また、お酒の飲めない僕達はジュースとスナック菓子を買ってパーティーを開いた。

深夜テンションになる頃には僕らの親に対する愚痴が出ていた。

「俺の親さ、久しぶりに電話かけてきたかと思ったらお前には向いてないから帰ってこいだってさ」金島が嫌味たらしく言う。

それにつられ僕は「うちの親も出ていく時にもって1年だなって言われたんだよ」と愚痴をこぼす。

「矢崎お前、前も言ってたぞ」なんて2人に突っ込まれ僕達は笑いあった。

夜が明け、「昨日は酒が入っていないのに晩酌をした」なんて小根山が言う。そんなボケに「まだ俺ら二十歳迎えてないわ」と金島がツッコミを入れた。そうしてお開きにする。

昨日の楽しさが残るこの部屋で僕はふと考える。本当にこの道で成功できるのだろうか?やってみないと分からない。そう自問自答をして僕は部屋を掃除した。


ふと妹から一通のメールが来ていた。

○○(僕の名前)お父さんが事故にあったんだけど意識がないんだって。だから早く△△病院に来てくれない?

僕は一瞬、躊躇い「あんな人に会いたくない」とだけ返信をした。

僕は結局行かなかった。父は車で事故を起こしたらしい。僕は自業自得だと思う反面、僕が有名になるまではこの世に居てくれと思っていた。

結構酷い怪我で父は全治2ヶ月だった。

冬が過ぎ、また春が過ぎた。

続きは前と同じです。