>>776
枯れたチンポの後藤がふと見ると、天を摩すような大樹がある。

葉は刃のごとく鋭く、焔を吹いている。

樹上には好みの女が、満面媚(こび)を浮かべて、

自分を招いているではないか。

後藤のかつての恋人である。



後藤は恋しさのあまり、居ても立ってもおれず、

前後を忘れて木に登っていく。

すると刀葉が降ってきて、

後藤の肉を割き、骨を刺し、全身血だるまになるが、

愛欲はいっそう激しさを増す。



やっとの思いで近づいて、満身の力で抱こうとすると、

女は忽然と消えうせて、

今度は樹の下から声がする。

「あなたを慕うてここまできたわ。

なぜ早く来て抱いてくださらないの」

とやさしく誘う。