>>588
音は聞こえなかった、相当深いようだ。
 そばにはロープがあった。だいぶ古く、痛んでいるが、ヌルスケはそのロープを井戸の中に放り込んだ。この後井戸の中を調べる際に使えるように。
 村の全体像は分かった。ヌルスケはここで休憩することにした。

 しばしの休憩の後、ヌルスケは調査を再開した。
 手始めに民家のような建物に入ってみることにした。
 建てつけが悪いのか、古すぎるせいか力を入れないと開かなかったが、素材自体はしっかりとしている。
 やはりそこは民家だったようで、テーブルと食器、台所のような場所もある。
 入ってすぐのところがキッチンとダイニングに相当するのだろう。奥の壁には窓もある。
 他に目ぼしい物も無かったため、外に出る事にした。
 時刻は昼を過ぎたころか。ここで一泊するわけにもいかないので手短に済ませよう。
 続けて隣の民家、道の途中の民家にも入ってみたが、最初の民家を大差はなかった。
 この村には何人くらいの人がいたのだろうか?椅子の数等で確認できないこともないのだが、村民名簿のようなものは無いのか?
 そこで思いついたのが墓地だ。
墓石の数で大よその把握を試みることにした。
 しかし、それは出来なかった。
文字が読めないのだ。
時間がたち、雨風にさらされたせいかあちこち欠けており、文字らしきものが書いてあることはわかるのだが
読めないものや、墓石なのかどうか判断がつかないもの、砕けてしまっているものもあり、この方法は使えないことが分かった。
 現段階ではある程度の人がいて、葬儀の習慣もあった。また、弔う人がいたことくらいしか分からない。