>>321
田中「ふざけている暇はないぞ! もう衛兵達がすぐそこまで……」
「しょうがないな。あたしがやるわ」
すぅちゃんはそう言うと、マイクとカラオケを取り出した。
「あたしの魅力にみんな洗脳されなさーいっ!」
スゥプちゃんは歌い、踊った。
しかし衛兵達は止まらずそのまま突っ込んで来る。
「霊光障壁」
小花が巨大な霊力の壁を作り出し、衛兵達を塞き止める。
「でっ……でも……、もたないだ! 早く何とか……!」
田中はニアの肩を掴み、言った。
「頼む。君の全体魔法で僕らを助けてくれ」
ニアは頬を紅くし、目を逸らした。
「このままでは君は役立たずだぞ。それでいいのか?」
「だって……」
「僕は君がどんな姿に変わろうと君を愛してる」
「えっ?」
「姿形じゃない! 君の美しい心が好きなんだ、ニア!」
ニアの目が潤み、唇が震えた。