>>99
田中はひり出したカレーに予めガラムマサラで煮込んであったタマネギと牛肉を合わせると、ほかほかの白飯にかけた。

「ほらよ」

出来立ての松阪牛カレーをスゥプちゃんに差し出す。

「臭男、スープ、スープちょうだい」

スゥプちゃんに急かされ、まだ食べている最中だった高橋は、仕方なさそうな笑顔で立ち上がった。
そして木陰の茂みに隠れるようにしゃがみ込み、ふんどしを脱ぐと、汁椀の中へ少量の味噌をひり出した。
カレーしか出せない田中と違い、高橋の味噌は具入りである。うず巻き麩とわかめしか出すことは出来ないが。
そこへ前のホースから熱いだし汁を注ぐ。ホースのたもとにある毛を揺すると、そこから緑色のネギがパラパラと降り注いだ。

「ほらよ。インスタントですまねぇが、オイラ特製のインスタント味噌汁だぜ」

スゥプちゃんはそれをカレーにぶっかけ、スプーンでぐちゃぐちゃにかき混ぜてから口に運ぶと、目を剥いた。

「うんまーーっ!!」