【リレー小説】勇者ヘッポコとヌルスケ part10
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登場人物
【ヘッポコ】
ゼウスに召喚されロトの勇者となった少年。重力魔法『ボッシュート』を使う。
頭に刺激を受けると爆発する。
『異能遺伝子』を持ち、敵の攻撃や魔法を身体が勝手に反応して再生する。
万引き癖がある。
【ヌルスケ】
不思議なメダルの収集家。メダル王に授かった力で不思議な力や不老不死などを手にしている 。
【ケン・リュックマン】
アメリカから来た顔がリュックの亜人。
擬人化する謎の武器『ルシール』(有刺鉄線を巻き付けたバット)を持っている。
ヘッポコの親友。
※前スレ
【リレー小説】勇者ヘッポコと冒険者ヌルスケ part9
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1581957477/ 三日後
猿ぐつわ、鉄の手枷と足枷をはめられたヘッポコは、魔王の間、魔王の座る王座の横に倒れこんでいた。
手枷と足枷は鉄製だ、加護の力を使えれば難なく砕けるだろう、しかし加護の力の供給源たる魔力をカラにされた状態では、常人となんら変わらない力しか使えない。
目の前に……宿敵がいる、その状態でありながら何もできないもどかしさに、ヘッポコは顔をゆがめる
「勇者ヘッポコ、貴様の仲間の死に様が、貴様を殺す方法を教えてくれた」
ヘッポコの視線など意に介した様子もなく、魔王はどこか独り言ちだった。
(……何か策があるのか? この数日、拷問がなかった理由と関係があるのか?……一体…何を)
ケンとララが信仰を捨てた原因が、痛み以外にあるというなら……なんだ?
「あの戦士の男は、魔法使いの小娘の正面の牢獄にいた、これは偶然だったのだが、ある時、戦士はこう言ったのだ。 俺が信仰を捨てればララを助けてくれるか? とな」
「!!」
ヘッポコは目を瞠る。みんなの未来を守ると約束したケンのリュックが頭をよぎった。
「余は約束した、そして女神の気配を失った戦士を殺すことに成功したのだ、最後は実にあっけなかったな」
「……」
「魔法使いの女は、目の前で戦士が死ぬ様を見て、自殺したよ、信仰を捨ててな」
「……っ」
「あれは大変興味深い事例であった、魔族には決して考えつかない発想だ」
「……」
「しかし人間という生き物は、時に自分よりも他人を大切に思うことがある、これは大きなヒントだと思わないか? なぁ勇者よ」
その言葉に、ヘッポコの顔から血の気が引いた。
(……まさか…) トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「ミライ」を試乗した小泉進次郎環境相=10日、環境省
小泉進次郎環境相は10日、同省の敷地内でトヨタ自動車が12月に発売する燃料電池車(FCV)「ミライ」の新モデルを試乗した。
水素を燃料とするFCVは走行時に水しか出さず、特殊なフィルターを通して大気汚染物質も取り除くことができるという。
小泉氏は「環境省として支援を強化する意義を再認識した」と語った。
小泉氏はミライが電気ポットなどの家電製品に給電する様子を見学した後、ミライの助手席に乗り、庁舎の周囲を試乗した。
記者団には「静かだし、走りながら空気がきれいになることを感じられるのは今までにない自動車の体験だ」と語った。
同省が所管する国立公園の駐車場の料金をFCVなどを対象に無料とするアイデアも披露した。
これに先立ち、小泉氏は経団連の杉森務副会長(ENEOSホールディングス会長)と都内で会談した。
両氏は脱炭素社会の実現に向け、FCVを始めとする「次世代エコカー」の導入支援や省エネ性に優れた住宅などを普及するため、連携を確認した。 魔王の間の扉が開く、魔物に連れられ、一人の少女が魔王とヘッポコの前に放り出された。
「うぇぇ、ヘッポコ様……」
「アリアハンに住む娘だ」
「なっ!!」
先ほど頭に思い浮かべた最悪を前に、ヘッポコはもがいた。
体の自由が奪われていることも忘れ、ただもがく。
「どうだ勇者ヘッポコ、信仰を捨てればこの娘は助けてやるが?」
「貴様ッ!」
ヘッポコは、力の限り魔王を睨む。
「……」
対し魔王は、無表情で指を鳴らした。
少女の片足が吹き飛んだ。
少女が絶叫を上げ、のた打ち回る。
「っ!」
ヘッポコは思わず目を閉じる、悔しさで、無力さでおかしくなりそうだった。
ただ、少女の悲鳴が聞こえる。
「イギャアアアアァァァアッ」
ヘッポコはただ無力な自分を呪い、目の前で苦しみ消えゆく命に謝り続けた。 「料理って、難しいでしょう。結婚したら、でも、作れるよ。多分」
結婚したい訳、早いよ。料理が出来なければ、結婚しないってこと。まだ、
何もしてないのに、それとも料理作って食べさせてってこと。
「僕は料理しますよ。まあ、適当ですが、中々上手いですよ」
なんだ、自分が出来る訳か。ということは料理を食べさせてくれる。それって、
家に誘われ、遊びにこないか。そう言うことか。その手には乗らない。
「どんなものが作れるって聞くと、食べたいと思うでしょうね」
別に誘ったつもりは無いけど、食べたいのなら作ってもいいか。
「食べに来ます。もし、食べたい物があれば言ってください。何でも作りますよ」
もう、食べに行くかな、でも、食べるだけではすまないだろうな、行けば私の
肉体は食べられる。それは間違いない。
「食べに行ったら、食べられそう。食べないって約束できます」
何だよ、それって、もういいだろう。我慢の限界だ。
「勿論、変な事はしません。食べるのは料理ですよ。僕が貴女を食べると
思ったわけですか。そうでしょうね。そう思うでしょうね。でも、心配しないでください」
まだ、早いのに、何も知らないし、だからと言って、知るためには冒険も必要だし、
でも、食べられてしまったら、私の鮮度はまた落ちる。
「料理の仕方で、食材は結構変わりますよ。少し鮮度の落ちたものも大丈夫
ですよ。でも、僕は鮮度のいいものしか食べませんが」 ―
トリスタンが異変に気付いたのは、妙な爆発音が二回ほどしたところでだ。
茂みから外に出ると、そこには黒焦げになった街が残っていた。
すぐに助けに向かおうとするビビを制止し、トリスタンとロンは街の方に向かった。
「あれは…」
トリスタンははっと息を飲んだ。
そこにあったのは、あの時と同じ光景だったからだ。
地上を鎧を着た兵士たちが走りまわり、あちこちで次々悲鳴が上がる。
そして、以前との違いとして、空からも攻撃が行なわれている。
「あれは…!!」
それは”天使”だった。赤い髪の天使が天使隊を率い、街のあちこちで破壊活動を行なっている、
どうやら王国の軍隊のようだ。
「”純血種”がここにいることは分かっている!吐かなければもっと死人を出すことになるぞ!」
男の怒鳴り声が聞こえる。
「クリムゾン・ナイトだ!助けてくれー!」
そう言いながら逃げ回る農民を後ろから、槍を持った真紅の鎧の兵が突き刺して殺害する。
ロンが思わず後ずさる。トリスタンはそこに駆け出していた。
間違いなくあの時と同じタイプの鎧だ。母や妹を殺したのは、この「クリムゾン・ナイト」で間違いない。
(もしかすると…この中に母さんやパーシーを殺し、ジュリアスを狂わせた元凶がいるのかもしれない…)
トリスタンは歯をギリギリと鳴らし、怒りを露にした。
「まだ生き残りがいたか! さぁ、冒険者だか何だか知らんが、”純血種”の居場所を教えろ!さもないとついでに死んでもらう」
構えたナイトがトリスタンに襲いかかる。
「騎士様ってのは、そこまでエラいのか?え? うおおおおおお!!」
トリスタンが街の門に向かう間、三人のクリムゾン・ナイトの上半身がバルログによって吹き飛ばされた。
「貴様、これだけの数を相手にするつもりか?!」
クリムゾン・ナイトの隊長らしき男が大勢のナイトを従えながら武器を構えた。その後ろには天使隊もいる。
「俺はな…前にしか進めねえぜ…! ロン、後ろに下がってろ!」
こうして戦いの火蓋は切って落とされた。ビビは森の奥から、こちらを黙って見ていた。
【戦闘開始です。 途中参加の方なども歓迎します!】 ヘッポコ拘束6日目
ヘッポコは、茫然と目の前で行われる行為を見つめる。
魔王によって四肢を爆裂させられ、内蔵を潰された激痛に悶える男を見つめている。
「勇者さまぁぁ、お助けくださいいい、め……女神さばっ」
男の頭部がはじけ飛んだ。
脳症が飛び散り、こぼれ出た目玉がヘッポコの目の前に転がった。
ヘッポコは、静かに涙を流す、しかし信仰は捨てない。
「……」
そんなヘッポコの姿を見て、魔王は目を細めた。
(ふむ……もう14人は苦しめたあと殺したはずだが……何か、間違えているのか?)
ただ殺すだけでは駄目なのか? 『やんごとなき駄目ドラゴン』#1
「……と、言うわけで一部の気の荒い個体や血気盛んな若い者を除いて、基本的に竜族はテリトリーやタブーを
侵されない限り進んで他者を襲わない。古竜と呼ばれる格の高い竜ともなればその特徴は尚、顕著となる」
王国大学。竜人リューコを講師として招いての集中講義だ。
「よって切羽詰まった冒険の時には、刺激せずに通り過ぎる事をお勧めする。しかし多くの竜が財宝や伝説級の
武具を保持している為に、それを目当てに戦いを挑む冒険者も多くいる。心当たりがあるだろう?」
会場にクスクスと笑いが漏れる。大いに心当たりがあるのだから仕方が無い。
「先程竜族は無闇に戦わないと言ったが、覚悟して挑んでくる挑戦者は大歓迎だ。強者に戦いを挑まれ、それを
斥ける事、斥けられる事は最大の誉れだからな。むしろその為に日頃から宝物を溜め込んでると言っても良い。
これらのものは身も蓋も無い言い方をすれば餌なんだが、竜族側の真意は自らを退治する勇者には最大限の
寿ぎを持って応えたい。その褒賞がショボかったら自らの沽券に関わる、ぶっちゃけると見得だな。」
竜視点の戦いの論理。他ならぬ竜人からの言葉ゆえに説得力はいや増す。
「よって、竜族相手には十分に備えて、容赦無く、精一杯戦って貰いたい。そして勝ったなら、その事を大いに誇って
吹聴して欲しい。諸君らの今後の新たな竜退治伝説に期待する。御静聴ありがとう」
大きな拍手が沸き起こる。名高い竜人によるカリスマ溢れる講義であった。
その後は参加者各人に軽食や飲み物が配られ、幾分気楽な空気の中での質疑応答タイムとなった。
「竜と竜人はどう違うんですか?」
王国に来る前までJKだった雪乃は往年の勘を取り戻し真っ先に質問する
「竜人族は意外と種の歴史が浅い。発生条件に天然タイプと合成タイプとが存在する。
天然タイプは、人語を解する温厚な竜が人間と懇ろになってイタしたり、神として崇められた古竜が人身御供で
捧げられた娘と、折角だからとヨロシクやってしまった結果生まれた者だ。」
「……壊れてしまわないのでしょうか。竜とイタして……妄想が捗ります」
誰かが小声で呟いていたが、皆聞こえないフリをした。
「そして合成タイプは、少し昔にどこぞの神々がやたらと竜と多種族とを掛け合わせる実験に奔走した時期があ
って、少なくない竜人が生み出され放逐された。結果、従来稀にしか生まれず、互いに出会う事がなかった竜人が、
集まり、竜人同士の交配が進み、今では小さいながらコミュニティを形成するまでになった。この合成タイプの出現
が竜人族の発生の契機と言えるだろう。」
生命の創造。普段は様々な雑務に勤しむ神々も、偶には神ならではの仕事をこなすようだ。
余談だがハムスターも、ごく最近、とある森に番が目撃されたのを皮切りに、以後世界に広がっていったと言う。
閑話休題。
「竜人族の家格はどのようにして定まっておりますの?本人の実力?先祖の功績かしら?」
ヴォルケッタ子爵(笑)が扇子で口元を隠しつつ質問する。
主催者のマリーは、「はいはい、貴女はどっちもありますね……」といった様子で溜息をつく。
リューコはやや苦笑しつつ、
「強い先祖を持つ家の竜人は地力がそもそも高い。よって次代が受け継ぐ財産も多くなる。その財産を有意義に
用いて更に強くなる。結果、その竜人は発言権も強くなる。これが人間の言う家格というのかどうか……」
「しかし、やはり実力至上主義だな。どんなに金持ちでも弱ければ多種族に退治されて、ハイ、それまでだ。
むしろ……私やこどらのように偉大な古竜を先祖を持つ家系の者は、簡単に負けたりしたら、受け継いだ力
を生かせなかった愚か者と一般(竜)人以上の誹りを受ける。これが家格というならば難儀なものだな」
「ほう、ほう……ほへっ?」
ヴォルケッタを含む全員の視線が、軽食を食べてお腹がくちくなり、涎を垂らして午睡を満喫するこどらに注がれる。
続く 激痛の対価
ヘッポコ拘束7日目
体が動かない。
三日前から始まった倦怠感はもはや体を動かそうとする気力すら奪い取っていた。
内蔵がキリで何度も突かれるような激痛を放ち。 脳は痛みの信号の後記憶が裂かれるような消失感にさいなまれる。
その隙間に、無残に殺された人々の顔が浮かぶ。
地獄としか言いようがなかった。 鼻や口から粘土の高い血が零れ落ち、それが液状化した内蔵であることに気が付く。
体は寒さに震え、神経を痛みと恐怖が満たす。
目が赤く染まる。
充血した毛細血管が裂け、血がこぼれだす。
息を吸ってもヒューヒューと肺が空洞化した音を立てた。
体が内側から急速に朽ちているのが実感できた。
早く終われとヘッポコは願う、この痛みと苦痛が早く去れと。
思い出が裂ける、内蔵が壊死する、呼吸ができず、血はこぼれだす、全身がぬめる。
一日続いた地獄の苦しみの中、やがてそんな苦痛すら感じなくなったころ
死んだ人々の顔が闇の中ぼんやりと浮かび、戦えと呼びかけられた気がした。 「貴方は自らの心臓が何故、鼓動を止めないか、尋ねられたことはありますか?」
「拳銃で頭をブチ抜いても死なない。まるであれは化け物だ!」
半世紀以上前、第二次世界大戦末期。
M県椰鷺塙村の東三キロの山中で軍事演習中の警察予備隊の小隊が数分で壊滅した。
精鋭部隊の彼らは何故数分で壊滅したのか?誰が襲撃したのか?
三十年前、S県平岡町交差点。
地元の有名大学の優秀学生Eが交番を襲撃し警官五名を殺害し拳銃を強奪。
車に向けて無差別に発砲して二十九名を射殺後に自殺する惨事が起きる。
三年前、東京都メトロ有楽町駅。
電車に仕掛けられた、液体爆弾が炸裂し電車が脱線。
死傷者六十三名の国内最悪のテロが起きた。が、犯人に目星はつかず迷宮入りとなった。
「時を越えて犠牲を払う時に、惨劇は起きて血の雨が降るだろう。」
人々が、"パンドラの箱"を開けるときまた、悲劇は繰り返される。
何が起きても、何があってもそこにある物は絶望だけでしかない。
監督 クリストファー・ノーラン(だったらいいなぁ)
「ダウン・タウン」 このスレッドは1000を超えました。
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