30分後

魔王「思いのほか手こずったな、さすがは勇者一行といったところか」

 衣服や体についた傷に顔をしかめながらも、魔王は満足気に足元に倒れる勇者一行を見つめた。

勇者ヘッポコ「……く」

戦士ケン「なんたる…」

僧侶アナ「はぁ…はぁ…」

魔法使いララ「化け物…」

 魔力をすべて使い果たし、立ち上がる体力も奪われたヘッポコたち、しかし皆、息がある。

魔王「まだしゃべれるのだから大したものだよ」

 魔王はそういいながら、指を鳴らした。

 魔王の間に魔物がぞろぞろと入ってくる。

魔王「連れて行け」

魔物「はっ」

 ヘッポコ達は乱暴に引きずられながら、荒れ果てた魔王の間を後にした。