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リレー小説「中国大恐慌」
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0001創る名無しに見る名無し
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2018/11/21(水) 05:01:20.00ID:Ll07jrjG
2018年11月21日、中国東部を超巨大規模の停電が襲った。
北京周辺から上海周辺にかけて、地上から電気が消え、人々はパニックに陥った。
これはそんな架空の中国が舞台の物語である。

主人公の名前は李青豪(リー・チンハオ)。
29歳の青年である。通称は「ハオさん」。 
愛称は「ハオ」。
0871創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 07:45:44.77ID:rKp50uVx
それは世間においてはありふれた、「ホンネ」という名で呼ばれる怪物だった。
「ぬあぁぁハオぉぉ! 許さんぞ! 貴様! イヌやブタ以下の存在のくせに!」
「ぅぅぅぅぁララァ! なぜ私を捨てた! 許さんぞ! 貴様だけは絶対に許さん!」
「おおおお兄ちゃんだとぉ!? リウ・パイロン! あのバケモノ女を殺してお前を奪ってやる!!」
メイファンの涙はだんだんと赤く染まった。
0872創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 10:54:10.09ID:79mxByUD
メイファンはリウを棒で突きまくって弱らせ、ジンチンをバラバラに刻んで殺し、
手錠にかけたリウに一本ずつ針を刺し、気が済むまで「愛してる』と言わせる妄想をし、うっとりとする。
しかし自分はおそらくアメリカの衛星カメラにより監視されている。
施設より20km以上離れれば、自動で小型追尾ミサイルが発射される仕組みになっているのだろう。
メイファンは自分の部屋に閉じ籠り、リウ・パイロンやララを思う存分愛する妄想をするしかすることがなかった。
0873創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 11:45:45.21ID:fg0G3mGI
もちろんハオのことはバラバラに切り刻み、ララに治させ、またバラバラに切り刻むのを繰り返した。
0874創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 12:00:21.59ID:ODc+NSih
ノースキャロライナの青い空の下、中国から移住して来た男女がビルの一階を借りて、太極拳教室を開こうとしていた。
「ララが英語喋れるからホント助かるよ」
「メイがネイティブ級だからね〜。あたしはそれに付き合って勉強したからちょっと喋れるだけ」
ハオは段ボールを運びながら、段差に躓いた。
「わぁ」と叫びながら中身をぶちまける。中国から持って来たお菓子、お茶、カップラーメンなど。
「もぉ〜、ハオハオったらいつまで経ってもドジなんだからぁ〜」
「ララぁ、膝打っちゃった。血が〜、血が〜」
ララが手を当てるとみるみ傷は塞がる。
「ついでに頭の悪いのも治しましょ?」
そう言うとララはハオの頭に白い手を当てる。ハオはそれを掴んでぐいと引っ張ると、引き寄せたその唇にキスをした。
「だめぇ。お兄ちゃんとのキス、美味しすぎるからぁ」
「止まらなくなっちゃう?」
「止めちゃ嫌ぁ〜」
二人は通行人が前を行き交う中、座ったままもつれ合い互いの甘くて柔らかい唇と舌を貪り合った。
0875創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 12:50:57.27ID:2j3/de/q
最近、メイファンの部屋にあの例の男性職員がやってくるようになった。
「…んでね。ハオってやつがね…。」
いつしかメイファンはその男性職員に心を開き愚痴をこぼすようになっていた。
「うん……うん…」
男性はただ黙ってメイファンの話を聞いて頷いているだけだったが、それでも彼女にとっては安らぎとなっていた。

ある日、ふと思ったメイファンは「…お前の名前は?」と尋ねた。

「僕の名前かい?僕は…タケル。」
「…タケル、日本人か。」
メイファンがそう呟くと、タケルはマスクを外した。
「…!」
メイファンはその顔を見て驚愕、激昂し飛び掛かろうとした。しかし、
(…違う、似てるけどよく見れば別人だ。ハオじゃない。気の色も違うし。)
と別人だと気が付くとベッドの上に座り込んだ。
0876創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 12:56:46.43ID:GTtXkLKr
メイファンはリウ・パイロンの唇を切り取ると自分の口に咥え、ちゅっちゅっと音を立てて味わった。
「お兄ちゃんの唇、美味しいよぉ〜」うっとりとした声で言う。「あそこがじゆわあぁぁってなっちゃう」
0877創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 13:31:41.48ID:ODc+NSih
「もしもし、お取り込み中のところすいません」と、二人に中国語で男が話しかけて来た。
「あれっ?」振り向いたハオが声を上げる。「お前、メイファンの手下の猪八戒じゃん」
「ブーちゃん、何でいるの〜?」ララが目を丸くする。
「習近平様より伝言です。一度、中国へ帰れとのこと」
「やだよ。俺達はアメリカ人になるんだ!」
「ブーちゃんもこっちに住もうよ〜。楽しいぞ〜」
「実は……」猪は声をひそめた。「例の計画をいよいよ実行します。つまりここは危険なのです」
「例の計画?」ハオがきょとんとする。
「えー、アレ、結局やるの?」ララが言った。「中止にすればいいじゃん。あんなのハオハオが死んじゃうかもしれないのに」
0878創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 15:27:21.61ID:2j3/de/q
ララ「ていうか私たち犯罪者な上に、私なんて帰ったら殺されちゃうじゃん。」

ハオ「…うん、ここで帰ったらなんのために苦労してアメリカに逃亡したか分からないよ」
0879創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 17:45:33.29ID:ODc+NSih
「国務指令一三五六零です」猪は厳しい顔をして言った。「拒否は出来ません」
「はぁ……」ララがため息を吐く。「しょうがないね」
「しょうがないの!?」ハオが目を丸くする。「俺、死ぬかもしれないって!? どういうこと!?」
「えーとね」ララが説明する。「国家機密なの」
「説明になってねぇよビシッ!」
「大丈夫、私も一緒だから」
「え。……ララも死ぬかもしれないってこと?」
「大丈夫だって」ララは少し絶望しているように笑った。「ハオハオのこと、信じてるし」
「信じてる顔じゃねぇよ!」
「それに、たぶん、お兄ちゃんの格好いいとこ見られるから、楽しみだよ」
「……ララは無理してるのすぐバレるよな」
「では早速お帰りください」猪が言った。「飛行機を用意してありますので」
0880創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 17:51:57.40ID:ODc+NSih
「ねぇ、タケちゃん」
部屋のベッドに座り、メイファンは嬉しそうに言った。タケルは頷きながら、それを聞いた。
「あいつら、帰って来るらしいんだ」
「よかったね」
「うん! 凄く嬉しい」
「再会したら、まず何がしたい?」
「えーとね。えっとね。まずハオのお腹をハサミで切って、大腸を引きずり出したい」
「うんうん」
「それをね、少しずつ、少しずつララの口に詰め込んであげるんだぁ」
「うんうん」
「でも、固くて食べにくいだろうから、バーナーを用意して、ララの口の中でしっかり焼いてあげよう」
「優しいね」
「エヘヘ」
「楽しみだね」
「楽しみだなぁ」
0881創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 19:24:34.88ID:ODc+NSih
ハオとララは習近平の執務室へ入った。
習は不機嫌そうな顔でハオを睨んだが、ララを見ると思わず崩れ、笑顔になってしまった。
「ララちゃんっ」身体を得たんだね! と言おうとして呑み込んだ。
これはリウ・パイロンの肉、これはリウ・パイロンの肉、と小さく口の中で繰り返すと、再びハオを睨む。
「君は……毎日リウ・パイロンの身体を抱いているのかねこの野郎?」
「はぁ?」
「違う違う」習は頭を振った。「どうしたんだ国家主席! 真面目な話をするのだ!」
「大丈夫か、このオッサン」
「私も大人げないことはしたくない」習はララを睨んだ。「時期が来た、ララ」
「ピンちゃん……やるの?」
「やるんだ」習の目がいつになく真剣になる。「そのためにハオ君を特訓して来たのだ」
「そうだね……」ララは俯き、少し笑った。「あたしも……一緒に……行くね?」
「ふむ……」習は少し考え、言った。「生命維持装置を用意させよう」
「ありがとう」
「あのー」ハオが口を挟む。「ぼく、ちっともわかってないんですけど」
「その時が来たら教えるから黙れ」習は優しく言った。「では下がってハオ君の部屋で休みなさい」
二人は一礼して出て行こうとした。すると後ろから習が思い出して言った。
「そうそう、メイファンが自分の部屋に来るようにと言っていたな」
0882創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 19:27:07.02ID:ODc+NSih
ハオは一緒に行こうとした。しかしララが止めた。
「あたし、メイには謝らないと……。お願い、まずは二人きりで話をさせて?」
0883創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 19:50:23.05ID:xYz2mD0P
その頃メイファンはタケルと共に地下室にやって来た。
「いいのかい?、お友だちを待たせてしまって。」
タケルが聞いた。
「いいよ、待たせておいてもへーきだよ。タケルがいってた見せたいものがみたいの。」
メイファンはガラにもなく、手を後ろで組み腰をゆらゆら揺する。
「ここにあるんだ。」タケルは扉を開けた。
「こんなところがあったなんて知らなかった。」メイファンは驚いた。

「…あれをみてごらん?」
「…え」
タケルが指差した方向には、リー・チンハオにそっくりな男達がたくさんいた。
ある者は牢に閉じ籠り、ある者は同じ姿をしたもの同士で談笑をしていた。
それらすべて、個体差はあるがハオその者にしか見えない。

「…おいおい、嘘だろう」流石のメイファンもこれには困惑するしかなかった。
0884創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 20:02:06.48ID:ODc+NSih
メイファンは帰って来た二人を出迎えなかった。ずっと部屋にいた。最高に嬉しい瞬間は3人きりで迎えたいと思っていた。
「やっぱりまずララを殺そっかなぁ」
ウキウキ気分で呟いた。特別な日のために用意していたとっておきの豪華な黒いチャイナドレスを着ている。
「そんで、死ぬ直前でララを吸い出して、私の中に閉じ込めるんだっ」
語尾には八分音符のマークが軽やかなスタッカート付きで乗っていた。
「それから目の前でハオをぉ……」
ドアをノックする音がした。
よく知っている、遠慮がちな3回ノックだ。
「……ど、どうぞ」
メイファンがなぜか緊張しながら言うと、ドアがゆっくりと開き、同時に白いセーター姿のララが顔を覗かせた。
ララはベッドの上に胡座をかいているチンドン屋みたいな格好のメイファンを見た。
ララがドアを閉めてから、暫く二人とも無言で見つめ合っていた。
「……不思議な気分だな」メイファンが言った。「今まで鏡でしか見たことなかった姿が……」
「っていうか生まれて初めてだよね」ララが明るく笑った。「左右逆になってない顔を生で見るのって」
「凄いな。本物のララだ」
「エヘヘ。身体ゲットしちゃったよ〜。夢みたい」
無言で互いを隅から隅まで見た。そのうち何かはっと気づいたような顔をしたメイファンにララが言った。
「ごめんね、メイ。何も言わずに行っちゃって……」
手をナイフのような形にして何かしようとしていたメイファンは動きを止め、子供が駄々をこねるような声を出した。
「ウィーチャットもメールもくれねーなんて……ひでぇ」
「だってスマホにメイの番号もメアドも入ってないんだもん」
「誰かに聞けばいいだろ!」
「中国に電波検閲されてるかもって思ったら……さ。とにかくゴメン」
ララがペコリと頭を下げた。初めて見る姉の頭頂部は隙だらけだったが、愛らしかった。
メイファンはゆっくりと立ち上がり、近づくと、その頭に手を触れた。
「わぁ、柔らけーな、ララの頭。ゴワゴワの私と大違いだ」
ララは泣きそうな顔を上げると、メイファンを抱き締めた。
「凄い。私、メイを抱き締められるよ」
メイファンは頬を涙でびちょびちょにしながら抱き締め返した。
「おっぱい糞でけーなボケ」
「後で一緒にお風呂入ろう」とララが言おうとすると、同時にメイファンが「おっぱい揉んでいいか?」と言った。
「凄い! ぶりぶり言わない」
「ぶりぶりも懐かしいけどな」
二人は並んでベッドに腰掛けると、とりとめのない長話を開始した。ハオを廊下で待たせていることなんかすっかり忘れた。
0885創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 20:46:01.96ID:ODc+NSih
主な登場人物まとめ

・ハオ(リー・チンハオ)……主人公。習近平とメイファンにより謎の施設に軟禁され、謎の過酷な特訓を受けていた。
恋人のシューフェンをリウに取られ、失ったが、その後すぐにララに乗り換える。しかし愛した女には一途な性格である。
太極拳の使い手。青い『気』を使い、メイファン曰く四千年に一人の武の素質の持ち主だが、やる気がない。ダメ人間。1月1日で30歳になった。

・ララ(ラン・ラーラァ)……ハオの現在の彼女。21歳の天然フェロモン娘。メイファンの姉。妹の中に住んでいた『気』だけの存在だったが、
リウ・パイロンが過剰な肉体を自ら引きちぎったことによりあっさり自分の身体を得る。かつて自分をレイプしたリウのことを深く憎んでいる。
白い『気』を使い、大抵の傷ならすぐに治すことが出来る。性格は妹と正反対で女らしく、お喋り好き。裁縫が得意。発狂しがち。

・ラン・メイファン……ララの妹。17歳の色黒の美少女。国家主席習近平のボディーガードであり凄腕の殺し屋。
黒い『気』を操り様々なことに使える武術家、というよりほぼ超能力者。『黒色悪夢』の通り名で恐れられている。
『気』を纏っていない時は芸能人が大好きなただの女の子。ただし友達は一人もいない。

・リウ・パイロン……中国の格闘技『散打』のチャンピオンであり国民的英雄。シューフェンの夫であり、彼女の死に深く沈む。
メイファンの元弟子だが、ボロボロに負かした上当時8歳のメイファンをレイプし、彼女の元を去る。
犯罪者として中国を追われ、新たな恋人ジンチンとともに日本へ逃げた。赤い『気』の使い手であり、必殺技は超低空アッパー。

・シン・シューフェン……ヒロイン。膵臓ガンにより逝去。ハオの恋人だったが、リウに取られた。
元々ハオにはもったいないほどの美人であり、リウの紹介で女優デビューする。
故人であるが、ハオとリウには特に大きな影響を与えた女性であり、ハオの枕元には今でもよく現れる。

・シャオ・ホンフー……42歳だが50歳代にしか見えないほど老けている、元散打王。新人の頃のリウに試合中、片目を潰され、散打界を去る。
引退後、ボッタクリ四川料理店を経営しながら殺し屋、地下ファイトの主催者等をしていたが、リウに潰される。料理がヘタ。

・ヤォバイ・ジンチン(リーラン)……21歳女性。スキンヘッドのデブだったが、変身して身長2m20cmの痩躯かつ巨乳の鬼婆になった。
性格は優しく、ひたむきでおおらか。リウとの恋が叶い、日本へついて行く模様。本名はリーラン。強い。

・ズーラン(ズズ)……ハオの幼なじみ。30歳のニューハーフ。豪華なクラブの経営者であり、歌手。
シャオの思い人だが、シャオは彼の正しい性別を知らない。

・ジェイ……20歳のイケメン。日本人。本名不明。ズーランの舎弟。東京生まれだがコテコテの関西弁を喋る。

・習近平……言わずと知れた中国国家主席。孤児だったメイファンを引き取り、殺し屋として育てる。ララのファンだったが今は憎しみに変わっている。

・ドナルド・トランプ……言わずと知れた(略)

・ジャン・ウー……メイファンの仲間の殺し屋。通り名は『酒鬼』。昔のカンフー映画に出てくるような見た目をしている。
メイファンに首をはねられ死去したかと思いきや生きていた。酔拳の使い手。

・タケル……謎の日本人。メイファンを助け、慕われるようになっている。
0886創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 21:06:22.63ID:ds+9Mpyi
(・・・まただ、体が動かない。殺したい奴が目の前にいるのに。)
メイファンは必死で体を動かそうとしたが、ピクリとも動けない。
そして視覚と聴覚以外の感覚もない。


(・・・私の体に何が起こってるんだ?)
0887創る名無しに見る名無し
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2019/01/16(水) 21:25:16.32ID:xYz2mD0P
メイファン(?)「所でハオ兄は?」

メイファン(ハオ兄はじゃねえぇーっ、何能天気に聞いてんだよコイツ!?)


ララ「…あっ、廊下に待たせてたの忘れてた。」
0888創る名無しに見る名無し
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2019/01/17(木) 01:56:02.96ID:aeYyoUaH
ハオが部屋に入って来るなりメイファンは右腕を斬り落とした。
「うあっ!?」
「ちょ……ちょっと!」
ララが腕を拾い、くっつけようと振り向いた時には既に左腕も落ちていた。
「メイ!」
メイファンがハオの腹に手刀を刺し、掴んだ大腸をずるりと出したところでララはようやく言った。
「国務指令一三五六零よ! メイファン!」
するとメイファンの手がぴたりと止まる。目を丸くして振り向き、聞く。
「発令されたのか?」
「そうよ」ララはその隙に右腕をくっつけた。「メイなら意味わかるよね?」
「し……習近平は鬼か」脂汗が額から滴る。
「だから、今、ここで、任務の出てるお兄ちゃんを殺したら……ね?」
「し……習近平は悪魔か」ガクガクと震えながら泣き出した。
ララは左腕もくっつけ、はみ出た大腸を怖じ気づくこともなく、しっかり両手に持つと押し込んだ。ハオはへなへなとベッドに座り込んだ。
「やだ。こんなのすぐには治んない」
そう思っていると、ハオの中から青い『気』が湧き出し、みるみる内蔵の位置を戻し、傷も塞いでしまった。
「あれっ?」ララは驚き、ハオの顔を見た。
ハオは意識朦朧となり、そのためか余計な力が抜け、青い『気』はいつもの濁りが取れて海のような色になっていた。
「これなら……」ララは瞳に希望を浮かべる。「任務の成功もアリかも」
「国務指令一三五六零〜……」メイファンは布団に入り、うなされていた。
0889創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 06:13:59.85ID:2DovBfwb
すこしララとはなしをしたあと、ララはハオをお姫様だっこをして出ていった。
メイファンはまたひとりぼっちになった。

二人が帰ってきても彼女の孤独や寂しさがなくなることはなかった。
きっとこれはハオをいたぶって遊んでも埋められないモノだとわかっていた。
ララ姉に任務の件で止められなくとも、虚しさでやめていただろう。
「…タケルちゃんに会いたいよ。」
メイファンは誰もいない部屋で声をあげて泣き叫んだ。
0890創る名無しに見る名無し
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2019/01/17(木) 07:39:13.68ID:vu50Dmru
最愛の姉を奪った憎むべきハオだった。
こんなアホ男に姉がついて行くことがとうしても許せなかった。
しかしメイファンほど自由で我儘な殺し屋でも国務指令一三五六零には逆らえなかった。

仕方なくハオとララに言葉の釘を刺しておくにとどめた。
「おい、私はお前らが一緒にアメリカに戻ることは許さねーからな」
するとララが言ったのだった。
「メイ。私、もう1人の独立した人間なんだよ? これからは自分のことは自分で決めたいの。わかってほしい」
「このアホはお前を殺しかけたんだぞ? アホな人形にお前を入れようとして……。同じようなこと繰り返すに決まってる!」
「大丈夫。二人で成長してみせるから」
「共依存ってヤツだぞ、それ。絶対コイツはララを不幸にする!」
ハオはアホ面をして黙って聞いていた。
「メイ」ララは頭を下げた。「心配してくれてありがとう。でも私、ハオのこと信じてるの」
「世界で一番信じちゃダメなヤツだろ」
「メイも信じてたからずっと殺さずに特訓してくれてたんじゃない」
「え。いやそれは……」
「今日、その答えが出るのよ」
「作戦? 早速今日やんのか?」
「ねぇ、メイ」ララは真剣な顔で言った。「もしハオが見事作戦を成功させたら、生きて帰って来たら、ハオのこと信じて、私達のこと許してくれる?」
「……死ねばいいのに」
「私もハオと一緒に行くのよ」
「な!?」
「この人には私が必要だから。1人じゃ何にも出来ないから」
「バカ! 行くな! 許さん!」
「行くわ」ララの目は強い決意と覚悟を浮かべていた。「自分で決めたの」
「死ぬぞ!」メイファンは怒りながら泣きはじめた。
「あのー」ハオが口を挟んだ。「そんな死ぬかもしれないことなら最後にララに俺が満足するまで肛門舐めてほしいんだけど、いい?」
メイファンの手刀がハオの首をはねようとして10cmだけ斬ったところで止まった。
「畜生。国務指令一三五六零がなければ……」
0891創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 07:46:22.51ID:vu50Dmru
思う存分肛門を舐めてあげるとハオは満足して眠った。
ハオの部屋で膝にその頭を乗せながら、ララは思った。

『ねぇ、お兄ちゃん。私、シューフェンお姉ちゃんみたいになれてるのかなぁ』

『私の頭に爆弾が入ってて、起爆ボタンを押すぞと脅されたら、あなたは私のためにもビルの111階から飛んでくれますか?』
0892創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 10:05:39.52ID:vu50Dmru
ララは生命維持装置にかけられ、ハオのキスを待った。
ハオが上から覆い被さってキスをすると、口を通じてハオの中へ入った。
『エヘヘ、久しぶりだねお兄ちゃんの中』
『テレパシーで心が通じ合う感じ、いいな』
『抱き合えないけどね』『抱き合えないけどな』二人は同時に言った。

それからようやく習近平の口から直々に作戦の内容が伝えられた。

「作戦第七百五十一號を開始する」
「作戦名『ジョウシュ・ベンダン』。尚この作戦を実行するにおいて国務指令一三五六零が発令されている」
メイファンが震え上がった。
「作戦を妨害しようとする者は誰であれアレな目に遭うので気をつけるように」
「ハオ君」習はハオに言った。「作戦成功の暁には君を名誉国民として勲章を与え、一生涯の富と生活を保証しよう」
「え。マジで?」
「どーでもいいから」ララの声がハオの中から言った。「早く内容を説明してあげて」
0893創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 10:15:45.76ID:vu50Dmru
「ウム」習は言った。「これより我が国の核ミサイルを予告もなしにアメリカのワシントンへ向け発射する」
「は?」ハオが思わず声を出した。
「ドナルドのアホも気づき、生意気に迎撃ミサイルを打って来るだろう」
「ウンウン」ハオは激しく頷いた。
「何もせずにいればミサイルは太平洋上で爆破され、アメリカに本格的開戦のきっかけを与えてしまうだけだ」
「ウン。だからやめよう?」
「そこでハオ君には核弾頭の先端に乗り、迎撃ミサイルを捌き、太平洋に沈めて貰いたい」
「えっ?」
「前もって伝えると絶対に逃げると確信していたので直前まで言わなかったことをお詫びしよう」
「断る!」
「国務指令一三五六零が発令されている。拒否するとアレにされるぞ」
「ヒッ」ララが怯えた。
「アレって何だよ!」
「大丈夫だ」習はハオの肩をぽんと叩いた。「君なら出来る。中国の未来は君の『捌き力』にかかっている。頼むぞ」
「嫌です!」
「やるしかないのよ!」ララがハオの操縦桿を握った。
0894創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 12:51:54.42ID:MEUhs2EP
メイファンは震えている。緊張はもちろん恐怖感によるモノでもない。
「私は…」
メイファンは小さく呟いた。その目には怒りと狂気を湛えていた。任務とかアレとかなんてどーでも良くなりつつあった。

かつてメイファンがリウと勝手に和解したことを許せなかったララのように。
(…わたしもう)
彼女の心はもはや爆発寸前だ。
0896創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 15:55:49.01ID:HO6/gtM9
ここで主要4キャラの愛憎関係をまとめてみた。

【ハオ】
・ララ→最愛。大好き。可愛い妹であり、恋人。
・メイファン→ひどいことをするので嫌い。だが憎んではいない。むしろ依存という意味で愛している。
・リウ→人見知りの相手。

【ララ】
・ハオ→最愛。大好きなお兄ちゃんであり恋人。
・メイファン→最愛。大好きな妹。ただし自分を束縛し、抑えつけるところを憎んではいる。
・リウ→12歳までは大好きだった。現在では最悪最凶に憎悪する対象。

【メイファン】
・ハオ→心底どーでもよかったが、ララを自分から奪った相手として憎んでいる。
・ララ→世界でただ1人の最愛の姉。その反動として自分から離れたことを激しく憎んでいる。
・リウ→誰がどう見ても大好きだが、頑なに認めない。昔自分を傷つけた相手として今でも憎んでいると言い張る。

【リウ・パイロン】
・ハオ→会話をして貰ったことがない。
・ララ→微妙。昔の通り愛しているとも、自分を犯罪者にしたことを憎んでいるとも。

・メイファン→好敵手として、何より可愛い『妹』として愛している。恋愛の対象外。
0897創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 16:51:56.24ID:bQhWnBqt
補足

・メイファン→ハオ
弟子としては愛着を持っている。人間としては見下している。異性としては興味がない。

・ララ→メイファン
自分の気持ちは無視してリウ・パイロンと勝手に和解したことについては強く憎んでいる。

・メイファン←→ララ
生まれた時から1つの身体を共有して育って来ただけに、愛も憎しみも膨大であり、他人には計り知れない。

・メイファン→リウ
自分のことを『女』として見てくれないことを憎らしく思っており、新しい恋人のジンチンともども殺したいほどに激しく憎んでいる。
0898創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 18:39:54.22ID:2DovBfwb
「…貴様ら、いい加減にしろ」
メイファンはボソリと呟くように言った。声は低く震えていた。
しかし誰も聞いていない。
目の前の三人は下らない茶番を繰り広げている。

「何が指令一三五六零だ、捌き力だ、私は主人公だあーッ」
メイファンは発狂した。
突然雄叫びをあげたメイファンに驚きその場にいたもの達の視線が
彼女に集まる。と同時に兵士や職員が真っ二つに吹き飛び恐ろしい早さの突きがハオや習、ララに迫っていた。
0899創る名無しに見る名無し
垢版 |
2019/01/17(木) 20:05:19.66ID:M4c17uuO
「あ、死ぬ。」
ハオはそう思った。目の前の景色が止まって見え、今までの思い出が走馬灯のように流れていく。

しかしハオは無意識にララをかばうように動いていた。
0900創る名無しに見る名無し
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2019/01/17(木) 20:18:16.01ID:bQhWnBqt
「仕方がないね、国務指令一三五六零をメイファンに適用し、処罰する」
習近平がそう言っただけでメイファンは瞬時に存在を消去された。
もう誰もラン・メイファンなんて人間がいたことすら覚えていない。
元より存在していなかった人間として物語は進んで行く。
わかっていたはずなのになぜ自ら消えることを選んだのか、それは誰にもわからない。

以後、メイファン登場禁止とします。
0902創る名無しに見る名無し
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2019/01/17(木) 20:55:33.42ID:M4c17uuO
ハオの心に狂気が沸いてきた。
「なんだか分からねえが勇気がわいてきたぜ。主席、この件は任せてください。きっと捌いて見せますよ!」
0903創る名無しに見る名無し
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2019/01/17(木) 21:45:32.43ID:GyQKT+ao
主な登場人物まとめ

・ハオ(リー・チンハオ)……主人公。習近平により謎の施設に軟禁され、謎の過酷な特訓を受けていた。
恋人のシューフェンをリウに取られ、失ったが、その後すぐにララに乗り換える。しかし愛した女には一途な性格である。
太極拳の使い手。青い『気』を使い、誰かが四千年に一人の武の素質の持ち主だと言ったが、やる気がない。ダメ人間。1月1日で30歳になった。

・ララ(ラン・ラーラァ)……ハオの現在の彼女。21歳の天然フェロモン娘。殺し屋。元々身体を持たない『気』だけの存在だったが、
リウ・パイロンが過剰な肉体を自ら引きちぎったことによりあっさり自分の身体を得る。かつて自分をレイプしたリウのことを深く憎んでいる。
白い『気』を使い、大抵の傷ならすぐに治すことが出来る。性格は女らしく、お喋り好き。裁縫が得意。発狂しがち。

・リウ・パイロン……中国の格闘技『散打』のチャンピオンであり国民的英雄。シューフェンの夫であり、彼女の死に深く沈む。
習近平及びララの元弟子だが、ボロボロに負かした上当時12歳のララをレイプし、彼女の元を去る。
犯罪者として中国を追われ、新たな恋人ジンチンとともに日本へ逃げた。赤い『気』の使い手であり、必殺技は超低空アッパー。

・シン・シューフェン……ヒロイン。膵臓ガンにより逝去。ハオの恋人だったが、リウに取られた。
元々ハオにはもったいないほどの美人であり、リウの紹介で女優デビューする。
故人であるが、ハオとリウには特に大きな影響を与えた女性であり、ハオの枕元には今でもよく現れる。

・シャオ・ホンフー……42歳だが50歳代にしか見えないほど老けている、元散打王。新人の頃のリウに試合中、片目を潰され、散打界を去る。
引退後、ボッタクリ四川料理店を経営しながら殺し屋、地下ファイトの主催者等をしていたが、リウに潰される。料理がヘタ。

・ヤォバイ・ジンチン(リーラン)……21歳女性。スキンヘッドのデブだったが、変身して身長2m20cmの痩躯かつ巨乳の鬼婆になった。
性格は優しく、ひたむきでおおらか。リウとの恋が叶い、日本へついて行く模様。本名はリーラン。強い。

・ズーラン(ズズ)……ハオの幼なじみ。30歳のニューハーフ。豪華なクラブの経営者であり、歌手。
シャオの思い人だが、シャオは彼の正しい性別を知らない。

・ジェイ……20歳のイケメン。日本人。本名不明。ズーランの舎弟。東京生まれだがコテコテの関西弁を喋る。

・習近平……言わずと知れた中国国家主席。孤児だったララを引き取り、殺し屋として育てる。成長したララに女として思いを寄せていたが、今は憎しみに変わっている。

・ドナルド・トランプ……言わずと知れた(略)

・ジャン・ウー……ララの仲間の殺し屋。通り名は『酒鬼』。昔のカンフー映画に出てくるような見た目をしている。
ララに首をはねられ死去したかと思いきや生きていた。酔拳の使い手。
0904創る名無しに見る名無し
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2019/01/17(木) 22:35:39.91ID:Ok2Qr/PL
国務指令一三五六零の発動した主席は習で二人目だった。

そして国務指令一三五六零は発動すると適用された人物以外記憶が残らない。
さらに因果律や時空にも影響を及ぼすため外見が変わってしまうのだ。

そう、リウ・パイロンはバイセクシャルになってしまったし
ハオからは駄目人間要素が薄いカルピスのごとく薄れてしまった。

おまけに習はもりもりマッチョメンの聖帝様だ。
0908創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 05:57:44.56ID:jdsZ/DW+
ミサイルは轟音と煙を上げて発射。
ハオとララを乗せ資本主義者の居城へ飛んだ。
0909創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 06:19:04.51ID:1YiHDBJw
「永住しようと思ってた国にまさかミサイルをお届けしなきゃならんとはね……」
ハオは発射されてしまってもなお気乗りがしなかった。
「でも、俺は友達まだ1人も出来てないからアレだけど、ララは早速何人かアメリカの人と仲良くなってたよな?」
「私にとって一番大切なのはハオだけだから」
ララは答えた。
「他の人がどうなってもいいとは言わない。でも、ハオ1人を助けるために、私は全世界の人を殺せるわ」
「……ララ」
「ハオ……」
二人はひとつの唇をちゅっと言わせてキスをした。
「ところで一番大切な人、もう1人いなかったっけ?」
「? いないわよ。ハオだけ。あとは全員モブよ」

向こうからアメリカの迎撃ミサイルが飛んで来るのが見えて来た。
あちらのミサイルにも誰かが乗っている。
「あれは……!」
「ケン・リュックマン!」
0910創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 06:42:45.68ID:XiNE/1Cd
メイ「はおにーがんばえ〜っ!」
0911創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 08:24:17.52ID:AqIbjk9C
ハオ「メイって誰?」
ララ「??聞いたこともないわ???」
0913創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 09:02:34.80ID:SCWzNzeD
駅で春江おばさんは背後から声をかけられ、振り向いた。
「スミマセン」
「チョトイイデスカ」
振り向くとそこには巨大なアジア人の男女がいて、恐ろしい目つきでこちらを見ていた。女のほうは口が耳元まで裂けている。

悲鳴を上げながら逃げて行く日本人女性を見送りながらリウ・パイロンが言った。
「やはり俺達の日本語、おかしいのかな」
リーランもショックを受けたように言った。
「異国間コムニケーソンて難しいだ」

駅のテレビを見る。テレビではニュースが報道されていた。
ーー中国北東部の山の中から核ミサイルが発射されました。繰り返します……
ーー現在ミサイルは日本上空を越えて太平洋上を飛行中……
ーー目標はアメリカ北東部だと推定されました。ワシントンか、ニューヨークか……

二人には日本語のニュースはわからなかったが、スマホのニュースで既に知っていた。
「バカなことを……」リウは空を見上げて言った。
「悲しいだ……」リーランは俯き、涙した。
「メイファン……どうしているか」
国務指令一三五六零は中国国籍の者及び中国の領土、領空、領海内にいる者のみに適用される。
リウは日本にいるとはいえ国籍はまだ中国にあったが、なぜかその適用外となっていた。
リウは電話をしようとした。なぜか電話帳からその名前が消えていた。
もし消えた時のために記憶していた。その番号を押した。電話が繋がり、感情のない女性の声が聞こえて来た。
ーー現在、この番号は、使われておりません
「何かおかしい」リウは電話を切ると呟いた。「一体何が起こっている……?」
0914創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 09:51:12.94ID:A9jHi6dB
|┃三ガラッ!_____
|┃      |どっきり |
|┃ ≡/⌒\ ̄||  ̄ ミ
|┃  ( ____) || サッ
|┃≡ (_》 ^ω^)E)
|┃= ⊂   ノ
0915創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 10:09:01.78ID:7gt6KG1U
リウに誰も近寄らないのは⬆️のような痛々しいイラストが描いてあるからだ。
0916イザベラ・バード
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2019/01/18(金) 10:58:08.29ID:vuLuJm6F
・日本人は、西洋の服を着ると、とても小さく見える
・どのの服も合わない
・惨めな体格だ
・凹んだ胸部
・ガニ股足

・日本人の黄色い皮膚
・馬のような固い髪
・弱弱しい瞼
・細長い眼
・尻下がりの眉毛
・平べったい鼻
・凹んだ胸
・蒙古系の頬が出た顔形
・ちっぽけな体格
・男たちのよろよろした歩きつき
・女たちのよちよちした歩きぶりなど
0917創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 11:48:05.52ID:K5UfoKV1
深紅の道着に身を固め、金色の剛毛に覆われた腕を組み、ケン・リュックマンは迎撃ミサイルの先端に仁王立ちしていた。
人間のものではない、そのリュックサックそのものの頭部が、物凄い風圧にも負けず堂々とハオ達を睨み、胸には燦然と輝く星条旗。

「どうしよう。相手は世界の格闘王よ。全力で迎撃に来たわ、あのヅラ前髪!」
ララがあたふたする。
「大丈夫だ、俺に任せろ」
そう言うとハオは立ち上がった。
0918創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 12:36:29.26ID:7gt6KG1U
メイ「けんゆっくまん、がんばえ〜っ!」

タケル「ケン、我々の未来はお前に掛かっているのだ。頼むぞっ」
0919創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 12:37:06.00ID:YNZEPDgK
ケンから虹色の『気』が発生する。ハオも負けじと青い『気』を発した。
二人の『気』の反発力で二基のミサイルは空中に立ち止まる。
ララ「私は操縦せずに見守るわ!頑張って!」
ハオ「行くぞ!ケン・リュックマン!」
ケン・リュックマンは目を赤く光らせ、ニタァと笑った。
0923創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 17:32:27.50ID:FqE1NevP
でもここは空飛ぶミサイルの上、
逃げ場所なんて何処にもない。

そうこうしてる内にケンの頭部が開き
ララのパチモノのメイが顔を出した。

「けんゆっくまんがんばえ〜っ」
メイが黒い気を発するとケン優位に傾いた。
0925創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 19:10:10.38ID:jdsZ/DW+
メイとか言うララのパチモノは、何故かハオ・ララ夫妻に憎悪を抱いていた。

少女は劣性になり焦るハオを見て、口端の片側をつり上げ、白い牙を見せるようにニタリ笑みを浮かべている。その目は完全にイっている。

「いや、誰だよ!?」
0926創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 20:06:13.63ID:xux6kKXy
「昇竜拳!」
炎を纏ったケンのアッパーがハオを襲う。
あれっ? しかし、見える。見えるぞ?
リウ・パイロンの超低空アッパーを体験しているハオにはむしろそれはハエが止まるほど遅く見えた。
着地したケンは、すぐに北斗百烈拳を繰り出した。
「あたたたたた!」
しかしこれもハオには一撃一撃がはっきりと見えた。
ララ老師の棒術による連続突き『牙突』のほうがよっぽど速かった。
すべての攻撃を捌き切ると、ハオは鼻を親指でピンとするブルース・リーの真似をしながら言った。
「それだけか」
0927創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 21:24:34.21ID:XiNE/1Cd
その刹那、ハオの体の中心から筆舌しがたい痛みがせり上がってきた。
額には脂汗が浮かび、意識がもうろうとする。

ハオの股間には、ララ老師が使うような棒が突き刺さっていた
0928創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 21:50:12.63ID:jdsZ/DW+
棒はメイの手から伸びていた。
「え、こんなガキが?」ハオは絞り出すように言うと
棒は下腹部から引き抜かれ、どす黒い血がボタボタとしたたり落ちる。
「ハオッ!」
ララ老師は慌てて下腹部を押さえる。老師の白い「気」により傷が塞がり痛みが和らいでいく。「見えなかった…。」ハオはメイを見た。メイはケンの頭部から顔を出しケラケラと笑っている。

「ハオ、油断しないで!このパチモノただの子供じゃない!」
0929創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:16:46.73ID:dcZn3AjR
ハオは気を失ってしまった。
「仕方がない……」
ララはそう言うとハオと身体を交替し、伝説の殺し屋「白色好夢(パイサー・ハオモン)」の姿を見せた。

弱いわけではない。もったいつけていたわけでもない。ただ、あまりにも醜いその姿を晒したくないだけの理由で隠していただけだ。

髪はハオのゴワゴワのくせっ毛の所々から細く長い毛がチョロチョロと覗き、まるでサボテンだ。
肌の色はカサカサした白と汚ならしい黒が混ざり合い、まるで皮膚病患者だ。
何よりその顔は、自分のことを可愛いと信じているハダカデバネズミのごとく恥ずかしく、見る者に永遠のゲロを吐かせるほどの威力に満ちていた。

白色好夢に変身したララ(ハオ)は、ミサイルの表面のジュラルミンだか何だかをひっぺがすと、白い『気』を込め巨大な矛に変えた。
ゲロが止まらず苦しんでいるケン・リュックマンの頭上から振り下ろす。
瞬時に真っ二つになったケンは、断末魔を上げる暇もなく、足をすべらせ、落ちて行った、太平洋のど真ん中に向かって。
0930創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:24:23.61ID:IqClx8iD
「また……つまらぬ物を斬ってしまった」
格好をつけている『白色好夢』に、二人の『気』の反発力で止まっていた迎撃ミサイルが動き出し、あっという間に迫ってきた。
0931創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:31:37.86ID:QvRg5oAr
「任せろ!」
瞬時に白色好夢の手だけが青くなった。
迎撃ミサイルの動きに合わせ、逆らわず、空気の流れを導くように軌道を変える。
「チンハオ流・我田流水」
アメリカのミサイルはケン・リュックマンの後を追うように太平洋上へと落ちて行った。
0932創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:38:54.33ID:IqClx8iD
「やったわね……」
「やった……!」
「任務成功よ。大成功!ハオ……」
「……で、どうする?」
「ん?」
「僕らこのままパラシュートで脱出して、計画通りアメリカにミサイルお届けしちゃう?」
「ん……。それであなたは英雄になれるのよ?」
「しかし死ぬ人がたくさん出て、世界は戦争になる」
「うん」
「戦闘の勢いで方角が変わってしまったことにしないか?」
「ハオ……あなたって……」ララは満足そうな声で言った。「イケメンね」
「今頃気づいたのか?」
「で、どこの方角に軌道を変えるの?」
「太陽さ」
0933創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:43:16.68ID:IqClx8iD
「チンハオ流・我田流水!」
ハオが核ミサイル『ベンダン7号』に掌打を加えると方角を変え、真上へ向かって飛びはじめた。
太陽を見ながら、眩しさに目を細めながら、二人は言った。
「これで……やがて推進力を失ったミサイルは海へ落ちる」
「誰も傷つかなくて済むのね」
0934創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:45:35.04ID:IqClx8iD
「……ところで」
「うん」
「私達……どうやって帰るの?」
「それな」
「パラシュートで降りても……」
「俺達を追いかけるようにアレが落ちて来るよな」
0935創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:54:03.74ID:GuQpnkBy
「ハオ君! ララちゃん!」
習近平から無線が入って来た。
「失敗したんだな? トランプが報復の核ミサイルを中国にむけて打って来た!」
0936創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 22:56:19.85ID:GuQpnkBy
おまけに沖縄米軍、台湾海軍に日本の自衛隊を加えた連合軍が、大停電中で何も出来ない上海を目指して出動していた。
0937創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 23:00:09.37ID:IqClx8iD
「あーあ」
「中国も終わりだね」
「俺らのせいかな」
「ピンちゃんが……習近平がバカなことするからよ」
0938創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 23:04:28.98ID:IqClx8iD
「んっ?」
「どうしたの?」
「あれは……」
ハオは自慢の10.0の視力で遠くから飛んで来るものの姿を捉えた。
「アメリカの核ミサイルだな」
「中国に向かってるのね」
「とりあえず」
「あれに乗って帰ろうか」
0939創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 23:13:10.67ID:IqClx8iD
ハオは速度と方向を計算し、ベンダン7号の壁を蹴ると、アメリカの核ミサイルの背に乗った。
「成功」
「すごーい! パチパチパチ」ララは呑気に言った。

太平洋の波の煌めきを雲の下に見ながら、二人は最後の会話をした。
「ララ、ごめんな。死んじまう」
「ん。最後に一緒にいられてよかったよ」
「うみ」
0940創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 23:14:49.75ID:IqClx8iD
「海ってこんなに広いんだな。水平線が丸いよ」
「世界ってこんなに大きかったのね」
「こんな広い世界でララと出会えて、本当によかった」
「あたしもハオと出会えて本当によかったわ」
0941創る名無しに見る名無し
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2019/01/18(金) 23:20:52.02ID:IqClx8iD
「あっ」ハオが突然声を上げた。「やべぇ!」
「どうしたの?」
「中国からも迎撃ミサイル飛んで来た」
「まじで!?」
赤旗の付いたミサイルがぐんぐん近づいて来る。
「ハイッ! チンハオ流・我田流水!」
「ちょちょちょちょっとちょっと! 捌いちゃってどうすんのよ!?」
「あ……つい……」
0942創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 05:08:14.14ID:la5JlhH4
中華の中心地は核の炎に包まれた。地は裂け水は枯れほぼ全ての生命は死滅した。
だがこれも全ては二人の人間の策略だった。

その名はタケルとメイ。習が本来であればするはずのない、他国への核による先制攻撃も、中国都市部の大停電もアメリカや日本の異変も
全てはこの狂人達が起こした茶番劇だったのだ。
0943創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 05:31:51.14ID:3LnWcZDS
米中の開戦により両国とビジネスをしていた欧州や日本をはじめとする多くの国々は
消して少なくない損害と影響を受けた。
0944創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 06:28:46.19ID:tR3LzlYM
日米両国の戦争はここでとどまることはなく
ロシアの参戦によりさらに悪化した
0945創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 06:33:10.62ID:tR3LzlYM
この戦争で中国もアメリカも日本もロシアも国家として壊滅した。

そしてこの戦争を引き起こしたのは白色好夢なる人物が起こした物であると世界中で噂になっていた。
0947創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 07:14:12.56ID:mMd9oLdH
「あ、でもダメよ」ララがハオを止めた。「ドナルド・トランプを殺し、アメリカの采配を一時的に混乱させるのがこの計画の最大目的だもん」
「つまりトランプだけ殺せばいいわけだな?」
「誰も傷つかないハッピーエンドなんてありえない」
「よし、このままアメリカまで飛ぼう」
0948創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 07:15:24.41ID:mMd9oLdH
「私にいい考えがあるわ」
ララはそう言うと、核ミサイルに『気』を通し、別の物に変えてしまった。
0949創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 07:19:57.18ID:mMd9oLdH
ララが『気』を流し込むと、核ミサイルは『何だかよくわからない、びよんびよんする物』に姿を変えた。
ホワイトハウスにびよ〜んと突っ込むと、ララは暗殺者『白色好夢』に姿を変え、トランプ大統領の所へ向かった。
0950創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 07:38:30.25ID:3LnWcZDS
ララは警備を一蹴すると大統領室の扉を開けた。


扉を開けるとトランプ大統領の死体が転がっていた。彼は頭から血を流していた。

その横には2人の男女が立っている。
0951創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 07:53:00.59ID:nLVbnXyM
その頃中国では、習近平もまた誰かによって殺害されていた。
頭から血を流して横たわる習の傍らには、これまた一組の男女が……。
0952創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 07:56:56.76ID:mMd9oLdH
「遂に国家主席殺しになってしまった……。」
習の屍の傍らに立つリウ・パイロンが、赤く染まった拳を握りしめて言った。
「アンタは私のヒーローだァ」
リーランが彼の肩を抱き、肯定した。
0953創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 08:10:10.50ID:Ek2vWZCU
だがもう米中戦争は止まらなかった。
もはや少数の人間を殺せばよいという問題ではなかった。

第三次世界大戦の勃発である。
0954創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 08:19:00.03ID:GuxUSK12
「やぁ、君達は?」
ドナルド・トランプの死体の傍らに立つ男女に声をかけると、彼らは名乗った。
「俺はアンディー」
「私はシェリーよ」

若い二人はとても美しかった。
0955創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 08:21:25.61ID:GuxUSK12
「古い時代は終わったんだ」
「これからは僕ら、若い力で世界を作って行こう」
アンディーとハオは固く握手をした。
0956創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 08:33:37.03ID:mMd9oLdH
ハオとララはそのままアメリカに移り住んだ。
国内の至る所では若者による暴動が巻き起こり、決して平和とは言えなかった。
アンディーはホワイトハウスを占拠し、中国と友好的な関係を新たに築くことを約束してくれた。
中国では暫定政府を置いていた『施設』をリウ・パイロンが占拠し、彼が中国の新しい国家主席改め大統領となった。
しかし例えばこのスレで、悪魔のような荒らしキャラ(ラン・メイ○。○)をしつこく復活させようとする輩がいるように、人間の心は一つになど纏まらない。
ハオもララも自分を守る術を身に付けていなければ、混乱を極めるアメリカで、すぐに殺されてしまっていたかもしれない。
しかし未来のために今がある。
今を全力で生き抜けば、必ず素晴らしい未来がやって来る、
そう信じて二人は今日も愛し合い、子供達に太極拳を教えるのであった。
0957創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 08:38:35.09ID:mMd9oLdH
中国大陸に明かりが戻った。
大停電はドナルド・トランプによる強制的な経済制裁だったのだ。
けばけばしいほどの明るさを取り戻した上海の町で、シューフェンの主演映画「上海ゴースト・ストーリー」の上映がどの町よりも早く始まった。
0959創る名無しに見る名無し
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2019/01/19(土) 13:02:17.04ID:U2J55+GK
このスレに書き込みをしたところ微妙に運気が上がりました。ありがとうございました。
0961創る名無しに見る名無し
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2019/01/20(日) 10:14:41.72ID:N4SXfvMP
ーー エピローグ ーー

リウ・パイロンは今日も執務室でトレーニングをしていた。

秘書のメイリンが入って来て、突っ込む。
「大統領〜、あなたもう散打王じゃないんだから、大人しく仕事して下さいよ」

「いや、俺はまたアイツに会うんだ」
リウ大統領は片腕の小指で腕立て伏せをしながら、言った。
「俺はまた、お前と命を懸けて闘るんだ……メイファン!」

窓の外にはあの日と同じ、歪んだ三日月が浮かんでいた。
0962創る名無しに見る名無し
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2019/01/20(日) 10:34:53.72ID:N4SXfvMP
ノースキャロライナの青い空の下、子供達が揃える真剣な声が響いていた。

「お茶、入ったよ〜! おやつにしよう」
ララが烏龍茶とクッキーを大量に持って入って来た。
子供達が歓声を上げて群がる。

「ありがとう。今日も愛してるよ」
振り向いた髭ゴジラみたいな顔のハオは、中国語でそう言うとお茶を受け取りながらキスをした。
「ウォ・イェ・アイニー(私も愛してる)」
ララは首を伸ばし、20歳代の頃と変わらない美味しいキスを返す。

二人並んでお茶を飲みながら、仲良くクッキーを取り合い喧嘩する生徒の子供達を眺める。
「おーいサンディー、年下の子をいじめちゃダメだろ」ハオがカタコトの英語で優しく言う。
「ボビー、こら! 1人で何個取ってんの!」ララが流暢な英語で優しく叱る。
窓から暖かい陽射しが入って来る。もうすぐ4月がやって来る。
「あっ、メイ! マイクにキックだめでしょ!」
23歳のマイクに8歳のメイがムカついて蹴りを入れたのだった。
「俺らの娘だけあってメイは強いなぁ」ハオが言う。
「のびのびと育てた甲斐あって強い子になったけど、ちょっとのびのびさせ過ぎたかなぁ」ララが不安がる。
母に似て美人のメイだが肌の色だけは色白の母に似ず、真っ黒な子だった。
3歳の時から『気』の力が使え、そのため上は43歳までいるこの道場の生徒の中で、8歳にして一番強かった。
叱られたメイはばつの悪そうな顔をして駆けて来ると、ララの膝に手をついて言った。
「パパ、ママ、メイのこと嫌いにならないで!」
「なるわけないだろ」ハオが笑う。
「世界一愛してるわよ、メイ」ララがハグしてほっぺにキスをした。
0963創る名無しに見る名無し
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2019/01/20(日) 11:03:35.45ID:N4SXfvMP
「ねぇ、ハオ」
ノースキャロライナの青空を見ながらララが言った。
「私、なんだか昔、妹がいたような気がするの」

「そんなわけないだろ」
ハオが笑った。
「でも、いたとしたら、さぞかし可愛い女の子だったろうな」

「そうかな?」
ララが皆に稽古をつけているメイを眺めながら、可笑しそうに笑う。
「案外ハオ、私の妹に散々いじめられていたかもよ?」
0964創る名無しに見る名無し
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2019/01/20(日) 12:46:11.88ID:p8OiKX6n
ちなみにリウ・パイロンはいまだに独身であった。
リーランとはあれから暫く一緒にいたが、交際2年目にしてようやく結んだ肉体関係が芳しくなく、別れてしまった。
しかしリーランはその時の子を授かっていた。
男の子はヘイロンと名付けられ、母を捨てたリウ大統領に への復讐心に燃えながら育った。
0966創る名無しに見る名無し
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2019/01/20(日) 14:23:12.16ID:lN55WzLL
持っていたhuaweiのスマホを叩きつけた!
「これからはOppoの時代だろーが!」
0967創る名無しに見る名無し
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2019/01/20(日) 15:58:08.30ID:n8zpaxCS
P20LITEユーザー「そんなことが言えるのは自分のスマホがHUAWEIじゃないからだ!」
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