>>556
こんなに短い文章なのに、書き手の技術って、恐ろしいほど伝わるもんだなぁ。

『自殺癖』
→タイトルは悪くない

10月にもなると風の深みが増してきて、
→まず最初に時間の情報を持ち出すのは、現実と小説的空間の間をつなぐ役目を果たすゆえ、世間で言われるほど悪い導入ではない。だが、「風の深み」というそれっぽく言っているようで何も伝えていない間抜けな表現と「十月」が連結しているために、印象派を気取ったエセ文学の臭いが一気に醸し出されるという、見事な一文。俺ならもうここで見限る。