雪が降っていた。
しんしんと音もなく。自分一人取り残されたような感覚。
僕はそれが嫌いではなかった。外界の煩わしさから解放された気がするからだ。
数メートル置きに設置された街灯がチカチカと瞬いている。
そのうちの一つに人影があった。
雪の張り付いた眼鏡のレンズを拭い人影を見直す。
──────見覚えがあった。



学校では所謂ぼっちな僕はクラスで目立たず完全にモブキャラ扱いだった。
まぁ、それはあまり気にしていないので問題はない。
彼女は僕と正反対でいつもクラスの中心にいた。
いつもニコニコとしていて活動的。生徒からも先生からも評判がいい。
およそ住む世界が違う。僕はいつも遠目から彼女を眺めるだけだった。


そんな彼女がこんな雪の中ポツンと一人佇んでいる。
なにか寂しげのような思い詰めたような…そんな表情をしていた。



久々投下。短いのでスルーでも大丈夫です…